堂々巡りから抜け出すには

執筆者:公認心理師・山崎孝

思考や議論が同じことの繰り返しで、先に進まくなったときに「堂々巡りやなあ」となります。信徒や僧侶が祈願のため、または儀式として、神社や寺のお堂の周りを回ることが語源だそうです。

煮詰まってしまったときに、視野を広げる、または新たな視点を得て、堂々巡りから抜け出すきっかけになり得る方法を紹介します。

他者の視点で考える

  • 「(友人の)○○さんなら、どのように考えるだろう」
  • 「(上司の)○○さんなら、どのように考えるだろう」
  • 「(尊敬する)○○さんなら、どのように考えるだろう」

夫婦がギクシャクしているときには、「妻は(夫は)どのように感じているのだろう」と考えてみると、何かのきっかけになることがあります。

過去または未来から考える

  • 「5年後の私はどうしているだろう。5年後の私なら今、何を選択するだろう」
  • 「3年後から現状を見たとき、まず着手するのは何だろう」
  • 「現状が変わらないままでいると、1年後に何を後悔しているだろう」
  • 「1年前に戻ったら、今の自分に何と声をかけるだろう」

俯瞰して観察する

  • 「この状況を2階から眺めたら、何を考える・感じるでしょう」
  • 「あなたと関係者たちを通天閣から見たら、どんな風に感じるでしょう」

状況が変わるとどうなるかを考える

  • 「もし何の障害もなければ、どのような選択を行うでしょう」
  • 「もし何も変わらなかったら、何を失うでしょう・失わないでしょう」
  • 「10億円の宝くじが当たったら、現状はどのように変わるでしょう」

気分転換する

以上の4つは、カウンセリングやコーチングにてよく用いられる質問です。私自身、煮詰まったときに自分に投げかけて、思いつくがまま紙に書きなぐるなどしています。

一旦その場から離れて、深呼吸やストレッチなどしてリフレッシュすると、より効果的だと思います。私の場合、煮詰まってどうしようもなくなったとき、開き直ってお風呂に入ったり、ジョギングに出かけたりします。お風呂の中やジョギング中にひらめくこともあります。

簡単に整理します。堂々巡りに陥ったときに、新たな視点を得て、抜け出すきっかけになり得る4つの質問があります。

  1. 他者の視点で考えてみる
  2. 過去または未来から考えてみる
  3. 離れて眺めてみる(俯瞰する)
  4. 状況が変わればと考えてみる

思考が硬直しているときには身体も硬直しているものです。深呼吸やストレッチ、お風呂や運動などを組み合わせると、より効果的かもしれません。