夫婦・カップルのカウンセリング

「何度話し合っても堂々巡り。ケンカしたくないので話しかけることもやめました」。解決の試みが失敗する、逆に悪化させる体験を繰り返して、疲れ切って来談されるケースが少なくありません。

苦しい気持ちを吐露して受け止めてもらえる機会は大切です。「共感してもらって心のエネルギーが充電されました」「自分で何とかできそうです」。丁寧に聴いてもらう体験によって、自己解決に至ることはよくあります。

夫婦・カップルの問題は、それだけでは足りないことが多いです。問題は何か。何が問題を引き起こしているのか。どのような悪循環が起きているのか。何が悪循環を維持しているのか。等々。問題や関係に踏み込んでのサポートを必要とすることが多いです。

夫婦・カップルの問題解決がむずかしい理由

夫婦・カップル・家族・親族など、親密な関係に起きた問題は、まったくの他人との間で起きたときより対処がむずかしいものです。心理的な距離が近いことにより、「言わなくてもわかるだろう」と思ったり、逆に「波風を立てたくない」と思うことにより、言葉で伝えることがおろそかになりやすいからです。

「言わなくてもわかるだろう」や「波風を立てたくない」という思いが、スレ違いや誤解を積み重ねます。いざ話し合いを試みると、既にお互いが感情的になっていて、健全なコミュニケーションを困難にします。そして、「話し合いを試みても堂々巡り」「ケンカしたくないので話しかけることもやめました」という状態に陥ります。

このようなときに役立つのは、利害関係のない第三者を交えてコミュニケーションを行うことです。利害関係のある家族などを交えると、かえって悪化することもあります。カウンセラーは専門知識とスキルを用いて、コミュニケーションが健全に行われるようにサポートします。必要に応じて何らかの提案をします。

夫婦・カップルの危機がおきるとき

夫婦・カップルの危機が起きる原因について、代表的なものを3つあげてみます。コミュニケーションの悪化、家族ライフサイクルの移行期、家族の構造の3つです。

コミュニケーションの悪化

ここでは、単なる情報の伝達・理解を「カンバセーション」と表現します。情報+考え・気持ちの伝達・理解を「コミュニケーション」と表現します。血のつながりがない夫婦の絆になるのは、考え・気持ちの相互理解・尊重であるはずです。

異なる文化・価値観を持つ二人が、一緒に新しい家庭を創っていくのが結婚です。衝突があって当たり前でしょう。着地点を見出すのはコミュニケーションによってです。良い関係には良いコミュニケーションが、悪い関係には悪いコミュニケーションがあります。

「普段は仲がいいんです」「趣味や遊びを一緒にやるのは本当に楽しいんです」「だけど、シリアスな話になるとケンカになるんです」

コミュニケーションにお互いの気持ちや考えを伝えあったり、受け取ったりするのが阻害されて、着地点を見出すコミュニケーションには至らないのでしょう。

コミュニケーションについては、以下のページに詳しく紹介しています。

家族ライフサイクルの移行期

結婚はゴールではなく、新しい夫婦・家族の誕生です。家族には個人と同様に発達段階があり、それぞれの段階における課題をクリアしながら発達・成長していくとする理論が家族ライフサイクル論です。

結婚すると、彼氏・彼女から夫・妻に変わります。子どもが誕生すると、父・母の役割ができます。同じ親でも、幼児と学童では親の役割の質が異なります。このように、ライフステージが変わると、新しい役割が付加されたり、役割の質が変わったりします。

変化の時期は、お互いの価値観の違いなどが表面化しやすい時期です。変化への適応は、それ自体が負荷のかかる取り組みです。そこに価値観の違いが加わるのはストレスです。衝突や関係の悪化が起きやすい時期です。

家族ライフサイクルについては、以下のページに詳しく紹介しています。

家族の構造

境界

家族とは一つの国のようなものです。国に国境があるように、家族にも外部との境界があります。境界には、(建造物である)家のような物理的な境界と、「わが家のプライバシーに干渉しないで下さい」のようなときに顕在化するような目に見えない境界があります。

結婚とは、それぞれが育った国を出て、2人で新しい国を創るスタートと言えます。結婚によって、育った国の住民ではなくなりました。新しい国と育った国の間に境界を引く必要があります。

決定

この境界があいまいな場合、外部(親など)からの過剰な介入を招くことがあります。例えば、夫婦で決めるべきことが、夫(または妻)と親で決められて、妻(または夫)には事後報告されるようなケースです。

「親は俺たちの(私たちの)ためを思って言ってくれてるのに」の言葉が良い結果につながることはほとんどありません。多くの場合、「あなたの家族は誰なの?」と返ってくるか、言葉にしないで飲み込むかです。いつか、飲み込めなくなって溢れ出すかもしれません。

家庭の決定は夫婦で行うものです。決定の内容が正しくても、決定のプロセスが誤っていれば、夫婦や家庭の関係性において誤りです。

三角関係

夫婦の関係がうまくいかなくなると、一方が子どもや実家の親との結びつきを強めることがあります。【夫 vs 妻と子】のような1対2の関係を三角関係といいます。

【夫 vs 妻と子】の三角関係になったとき、夫が拠り所を家庭の外に求めることがあります。拠り所に選ばれるのは、仕事、趣味、お酒、ギャンブル、浮気などです。

パートナーの理解を得られない側が、子どもを拠り所にして密着することがあります。親子の立場が逆転します。子どもの心の発育に悪影響を及ぼすことがあります。

カウンセリングで乗り越える夫婦・カップルの危機

どのような相談で夫婦・カップルカウンセリングにお越しになるのか。代表的な相談内容を紹介します。

関係改善・修復

何が原因と問われると色々ある。嫁姑問題、家事・育児、コミュニケーション不全、などなど。話し合いを試みればケンカになる。いつしか話し合い自体をあきらめてしまい、交わされるのは事務的な会話のみ。砂を噛むような生活とはこのことかもしれません。

血のつながりがない夫婦を結びつけるのは情緒的な絆のはずです。その絆を築いたからこそ結婚に至ったはずです。構築が不十分な絆、ほどけかけた絆、壊れかけた絆。それらをどのようにして築くのかを、夫婦・カップルとカウンセラーが一緒に考えて、一緒に取り組みます。

夫婦・カップルの危機が深刻度を増していく段階について以下のページに紹介しています。

不倫・浮気

不倫・浮気された側の傷つきは(本当の)トラウマと同じレベルです。健全な自尊心が損なわれます。「私には女性(男性)としての価値がないんだ」「私には人としての価値もないんだ」と感じられるほど傷つきます。「これまでの結婚生活に何の意味があったのだろうか」と空虚感に包まれます。

『された側』は『した側』を毎日のように責めます。『された側』にとって回復に必要なプロセスですが、ときには『した側』が、終わりの見えない責めを受け止めきれなくなります。疲れ果てて、「謝罪を受け入れてくれたのだから、一緒に前を向いていきたい」と懇願します。

その言葉は『された側』にとっては、「私の気持ちをわかってくれない」「わかってくれないのに前を向いてと言われても・・・」と傷つきます。『した側』を更に責めます。終わりが見えない堂々巡りに陥ります。

この悪循環から逃れる術を、夫婦・カップルとカウンセラーが一緒に考えて、一緒に取り組みます。詳しくは以下のページをご覧下さい。

離婚

コロナ離婚という言葉が聞かれるようになってしばらく経ちます。これまで目を背けていられたことが、リモートワークなどの環境の変化により、無視できない状況になったのも一因と思われます。

これまで目を背けてきたのは、話し合いを試みても毎回衝突して堂々巡りといったことが繰り返されてきたのでしょう。そのコミュニケーションを続けても悪化する一方かもしれません。

改善の努力が実を結ばないとき、離婚が現実的な選択肢となります。しかし、離婚は簡単なものではありません。離婚に伴う精神的な苦痛、経済的な苦痛、子どもへの影響、周囲の目など、別れたいけど別れられない葛藤に陥ることが大半です。

本人たちだけで如何ともしがたいとき、専門家の力を借りることも選択肢の一つに入れてはいかがでしょう。カウンセラーは修復も離婚もおすすめしません。堂々巡りを脱して、結論に向かうコミュニケーションを支援します。自力で着地点に到達するコミュニケーションを支援します。

離婚の現状について以下のページに紹介しています。

モラルハラスメント・DV

モラルハラスメント・DVは、最も困難な相談の一つです。残念ながら「(カウンセリングで)改善します」と断言するのはむずかしいです。「できるだけのことをやってみましょう」としか言えないのが現状です。

苦しみから逃れるには、離婚以外の選択肢を探すのがむずかしいケースも少なくなく、モラハラ・DV案件に強い弁護士のほうが事情に詳しいこともあります。

暴力や心身に有害な影響を及ぼす言動が起きている場合は、夫婦・カップルお二人揃っての(同席での)カウンセリングは行いません。同席の場で起きることが刺激となり、暴力が激化する危険があるからです。

暴力が起きている場合はお一人でお越し下さい。まずはお話をお伺いして、どのように取り組んでいくかを一緒に考えさせていただきます。

モラハラ・DVといえば、加害者は男性(夫・彼)で、被害者は女性(妻・彼女)というイメージがあります。最近では加害者が女性で被害者が男性のケースもあります。また、モラハラを継続して受けていた側が、追い詰められた末に暴力を振るうというケースもあります。

詳しくは以下のページをご覧下さい

セックスレス

セックスは自分の存在をパートナーに認められている実感でもあります。セックスレスによって、女性として男性として魅力がない、愛される価値がないと、プライドがずたずたに傷つくこともあります。セックスは日本でタブー視されている面があります。話し合いを持ちにくい話題でもあります。

セックスレスになる原因は様々です。男性が原因となり得るのは独りよがりのセックス。女性が受け入れ態勢になってないのに強引に挿入する。女性は痛いだけです。拒否できればいいのですが、毎回拒否するのは申し訳ないという気持ちになって、ガマンして受け入れます。しかし、痛いだけです。

そのようなことが続くと、「セックス=苦痛」と条件づけられることがあります。身体に触れられるだけでビクッとなります。条件反射で理屈ではありません。セックスの話をするだけで泣き出す女性もいらっしゃいます。

小さな不満の積み重ねも原因になります。例えば、きっちり片づけしたい人と、少々散らかっていても気にならない人のカップル。パートナーの服がいつも脱ぎっぱなしで放置されているが、いつも小言を言いたくないので自分で片づける。そんな不満の積み重ねがセックスレスにつながることもあります。

毎日がとても忙しくて、時間ができたら少しでもゆっくりしたい。そんな状態では性欲も起こりにくいでしょう。働く女性に見られることが多いです。

セックスレスに悩んでいる人は、パートナーに拒否され続けています。解決への試みが報われない体験、気持ちが届かない無力感を重ねています。夫婦・カップルの情緒的な絆の回復が必要となります。

プレマリッジ(結婚前)カウンセリング

結婚前(プレマリッジ)カウンセリングとは、結婚を控えた、または結婚を考えているカップルのカウンセリングです。日本では一般的ではありませんが、離婚が多いアメリカでは一般的なようです。

結婚前に気にならなかった小さなことが、一緒の生活が始まると気になって仕方がないということがあります。何となく感じていた違和感が、見逃せない大きさになることがあります。

結婚前(プレマリッジ)カウンセリングでは、そのようなことを事前に解決しておくというより、そのようなことが起きても二人で解決できる関係を作ることに重点を置きます。そのカギは、やはりコミュニケーションです。

特に女性にとっては、仕事と結婚の両立がむずかしい時代のようです。結婚紹介所のような本気の婚活を支援するサービスの会員は、男性より女性の方が多いそうです。実際に結婚紹介所の経営者から聞いた話なので間違いないでしょう。その経営者によると、婚活成功のカギは「自信」とのことでした。

不妊治療は身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。夫がそのつらさを理解してサポートすれば、夫婦の絆を深める機会になるでしょう。逆に夫が無関心だったりすると、つらさや痛みは恨み記憶となって長期間、夫婦の関係に悪影響を与えることがあります。

絶対数は少ないですが、LGBTカップルの相談を受けるようになりました。基本的には男女のカップルと同じように接しています。

家族療法によるカウンセリング

当カウンセリングルームでは、家族療法によるカウンセリングを行っています。特徴は夫婦・家族関係をシステムとしてとらえることです。問題を人の内に見出すのではなく、システムの歪みが問題を生むと考えます。

通常のカウンセリングでは、本人が来談しなければ支援することができません。家族療法では、本人が来談しなくても援助が可能です。「システムの一部はシステム全体に影響を与える。また、全体は一部に影響を与える」という考えを前提にした支援を行うからです。

不登校の子どもがいるとします。不登校も家族システムを維持する要素として機能していると考えます。両親が不仲➡子どもの不登校は両親の対立を沈静化させる➡それによって家族崩壊を免れている➡両親の関係が改善すれば、子どもには家族を守るための不登校が不要になる。

以上の前提で取り組んで、カウンセラーは子どもに1回も会わずに不登校が改善するケースもあります。同様に、夫婦・カップルが2人で来談できなくても支援が可能です。ただし、2人での来談が可能であれば、できるだけ2人で来ていただきたいことを付け加えておきます。

夫婦・カップルカウンセリングのパターン

夫婦・カップルカウンセリングの例

夫婦・カップル間で暴力が起きている場合は、お二人でのカウンセリングは行いません。カウンセリングで交わされる会話が暴力を活性化させる危険があるためです。暴力が起きている場合は、お一人でお越し下さい。

早めの対処でダメージを小さく

家族ライフサイクルで説明したように、個人にも家族にも発達段階があり、それぞれの発達段階に課題があります。クリアできなかった課題は、いずれ目の前に現れます。一周回って再び現れたときは、今より一回り大きくなって、今より困難になっていることがしばしばです。

予防医学には、一次予防(病気にならない取り組み)、二次予防(早期発見・早期治療)、三次予防(回復・再発予防)の三段階があります。数字が小さいほどダメージは小さく対処は容易です。早めの取り組みをご検討下さい。

まずは一度ご来談下さい

悩んでじっとしている間は何も変わりません。動いてみれば何かが変わります。1回で終わっていただいても結構ですので是非、お試し下さい。具体的な取組をお示しできると思います。

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