【お知らせ】移転・リニューアルしました(2019.11.12)

自分に自信がないの克服

初めてアクセスされた方へ

当方は大阪の北部、北摂と呼ばれる地域でサービスを提供しているカウンセリングルームです。医療機関へ行くほどではないけれど、専門家に相談したいという方に多く利用されています。

傾聴(単なる聞き上手ではなくカウンセリングとしての傾聴)を中心に、認知行動療法、家族療法を折衷的に用います。聴いてほしい・わかってほしい気持ちを大切にします。自覚していなかった気持ちや考えに気づき、心や頭を整理して、決断や解決に向かうサポートを行います。

開業したのは2011年です。今年(2019年)8周年を迎えました。延べ5,000人超のカウンセリングを行ってきて実感しているのは、自尊感情の低さによって生きづらさを感じている人が、予想以上に多いことです。

日本人には自信がない人が多い

内閣府の調査(平成26年度版 子ども・若者白書)によると、日本人は諸外国に比べて、自己を肯定的に捉えている人の割合が低いとのことです。

  • 韓国:71.5%
  • アメリカ:86.0%
  • イギリス:83.1%
  • ドイツ:80.9%
  • フランス:82.7%
  • スウェーデン:74.4%
  • 日本:45.8%

<参照ページ>
特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~|平成26年版子ども・若者白書(概要版) – 内閣府

自己肯定感(そのままの自分で大丈夫という感覚)は日々の充実感や将来の希望など、人生全般に影響します。高ければ高いほど良いというものではありませんが、低すぎると生きづらさを感じ、毎日を人生を楽しめません。

自分に自信がない人の根底にあるもの

自分に自信がない人の特徴

「自分に自信がない人」に共通する特徴には以下のようなものがあります。

  • 自分の意見や考えを言えない
  • 他人を優先しすぎる
  • がんばりすぎてしまう
  • 他人と親しくなれない
  • 必要以上に他人と比較する
  • 周囲の目を気にすぎる
  • ほめられても素直に受け入れられない
  • 先延ばししたり、やらなかったりする
  • 他者の言動に腹を立てやすい

「受け入れられない」という感覚

自分を肯定的に捉えられないと、自分は他者から受け入れられないという感覚になります。自分の意見は受け入れられないと感じるので発言を躊躇します。他人(の考え)を必要以上に尊重したり、頼まれると断れなくなります。

自分は他者から受け入れられないという感覚があると、素の自分を表現したり、心を開くことがむずかしくなります。他者との距離が縮まりにくく、親しい関係を作るのがむずかしいことがあります。

ほめられても謙遜し過ぎたりするなどして、素直に受け取ることができません。自分にはできないという感覚が、やるべきことを先延ばしさせたり、やらなかったります。すると、さらに自分を肯定的に捉えるのがむずかしくなります。

どんなに親しい人間関係でも意見の違いは起こりえます。自分を肯定的に捉えられない人は、異なる意見を表明されたり、自分の意見に反論されたりすると、人格を否定されたように感じてしまう傾向があります。些細なことで怒りやすい人は、自分に自信がないことが多いようです。

自信とは

唐突ですが、下に4色の星()があります。赤い星)がいくつあるかを覚えておいて下さい。

★★★★

自信とは自己イメージ

自信に関連する言葉には、自己評価、自己肯定感、自尊心、自己効力感、自己有用感のように、たくさんの言葉があります。漠然として、つかみにくいものなのでしょう。だからこそ悩みやすいのかもしれません。

自信とは、自分自身に対する「主観的」なイメージです。自分自身にポジティブなイメージを持っている人は自信がある人、ネガティブなイメージを持っている人は自信がない人と言うことができます。

「主観的」と強調したのは、必ずしも実態と直接的な関係があるわけではないからです。あなたの周囲にも、人柄が良くて、能力が優れているにも関わらず、どうして自信がないんだろう?と思う人がいるかもしれません。

自己イメージは体験や他者との同意によって作られる

自己イメージは体験によって作られます。たくさんの体験の中から、自分にとって影響の大きい体験によって作られます。ポジティブな体験が9割、ネガティブな体験が1割だとしても、1割の影響度が大きければその体験が支配的となります。

親から否定されて育った人が持ちやすい自己イメージは、「私は愛されない存在」です。親が100点を取ったときだけほめてくれる。少しでも間違うと怒られる。そんな体験が、「私はちゃんとしていない」という自己イメージを作ることがあります。

自己イメージを作る体験は、虐待のような大きな体験のこともありますし、何もない体験(例えば放置されるなど)によることもあります。出来事の大小ではなく、心への影響の大きさによります。家庭での体験に限りません。子どもの頃の出来事にも限りません。

ある人の父親は、いつも機嫌が悪かったそうです。休日を一緒に過ごす父親は、よく舌打ちしていました。彼は「父は自分を嫌いなのだろう」と思っていました。その体験は「私は好かれない人」という自己イメージを作りました(成人した後に父に聞くと、「(舌打ちは)仕事のストレスだった」と言われて愕然としたそうです)。

このページの最後で触れますが、自己イメージは他者との同意によって作られます。

例えば「この紙コップはペラペラで頼りないね」「確かに頼りないね」との同意によって、『頼りない紙コップ』という事実ができます。

同じ紙コップでも、「少し頼りないけど、この価格はスゴいね」「品質は十分だし、コストパフォーマンスがいいね」との同意によって、『コストパフォーマンスの良い紙コップ』という事実ができます。

こんなに単純ではありませんが、自己イメージを形成する要素も他者との同意よって作られます。

自己イメージはルールを作る

「私はちゃんとしていない」という自己イメージは、「ちゃんとしていれば受け入れてくれる」というルールを作ります。「常にちゃんとしなければならない」というルールに発展します。

やっかいなのは、これらのルールが無意識的に本人に影響を与えていることです。本人はルールに縛られていますが、縛られていることに気づいていないことがほとんどです。

このような悪循環を繰り返している人がいました。

私は受け入れられない ⇒ 他人を優先すれば受け入れてもらえる ⇒ 頼まれごとを断れない ⇒ 家庭のことがおろそかになる ⇒ 家族に責められる ⇒ ストレスがたまる ⇒ 爆発する ⇒ 嫌がられる ⇒ 私は受け入れられない ⇒ 以上を繰り返す

受け入れられるためのルールが、受け入れられないという逆の結果を作ってしまってます。

イメージがイメージを強化する

自己イメージができあがると、自己イメージに「当てはまらない」ことは見逃したり、無視したりします。自己イメージに「当てはまる」ことだけをキャッチして、さらに自己イメージを強化します。

先ほど、赤い星)がいくつあるか覚えておいて下さいと言いました。覚えていますか。青い星)はいくつありましたか。わからない方が多いと思います。多くの人は、赤以外の色は無視したはすです。

「受け入れられない人」という自己イメージが作られると、例えば懇親会などで、会話が弾んだポジティブな体験を無視したり、偶然だったと思ったりします。逆に、自分の発言で前の人の顔が少し曇ったように見えたなどのネガティブな体験を記憶します。

不安な思いをしたくないので懇親会から足が遠のきます。そうすることにより、ポジティブな体験をする機会を得られなくなります。「受け入れられない人」という自己イメージが強化されます。

目指すは「しなやかで柔軟なメンタル」

私が目指すのは、「常にポジティブで、何ごとにも動じない、鋼のような強靱なメンタル」ではありません。目指すは「しなやかで柔軟なメンタル」です。

すべての感情に意味がある

すべての感情には意味があります。不安や恐怖は、備えるべきことがある、回避すべきことがあるというサインです。落ち込みや悲しみは、回復のための休息や引き込もりを必要としているサインです。うれしさ、楽しさ、充実感のような感情と同様に大切なものです。

感情に振り回されない

とはいうものの、不安・恐怖・落ち込み・悲しみなどに振り回されると生活の質が低下します。感情を無視せず大切にしながらも、翻弄されないようにコントロールして、適切に考え、適切に行動することが必要です。

適切な考えや行動は自分自身を向上させてくれます。人間関係を向上させてくれます。その積み重ねが自己肯定感(そのままの自分で大丈夫という感覚)を高めて安定させます。これが目指す姿です。

すべての感情を受け止め適切に扱える「しなやかで柔軟なメンタル」

すべての感情を無視せずしっかり感じます。感情に翻弄されないようにコントロールします。適切に考え、適切な行動を取ります。その結果、自分自身が成長して、人間関係が向上します。その積み重ねが自信を育てます。

何ごとにも動じない強靱なメンタルより、喜怒哀楽をしっかり感じる人、表現する人に魅力を感じるのは私だけでしょうか。ときには落ち込み、ときには不安に苛まれるのが人間です。ネガティブな感情にならないのではなく、ネガティブ感情も適切に扱える、しなやかで柔軟なメンタルが目指す姿です。

自信の育て方(感情のコントロール)

タイトルも著者も忘れた本ですが、「戦場で最も早く死ぬのは恐怖を知らない者だ」という言葉だけが記憶に残っています。恐怖を感じない者は危機に備えない。その結果「早く死ぬ」という意味だったと思います。

自信を失うパターンの1つに「感情に翻弄されて不適切な言動を行うこと」があります。

  1. 感情に翻弄されて不適切な言動をする。または、やるべきことやチャレンジを回避する。
  2. その結果、後悔や自責の念に苛まれる。
  3. さらに自信をなくす。

この悪循環から好循環に向かうには、感情と上手く付き合う必要があります。自信を育てるには、感情のコントロールが欠かせません。

3つのケア

ここでは、下園壮太先生(NPO法人メンタルレスキュー協会理事長)による「感情ケアプログラム」のモデルを紹介します。

感情ケアプログラムでは、感情を3つのモードで捉えます。上記の図をご覧下さい。「危機対応モード」「警戒モード」「予防モード」の3つです。それぞれのモードに応じた対処法を実践することによって感情をケアします。

「危機対応モード」のケア

「危機対応モード」とは、強い怒りに包まれたり、不安に巻き込まれて思考が働かないなど、感情が高ぶっている状態です。感情に翻弄されている状態です。この状態で衝動的に行動を起こすと、先に紹介したような自信を失う悪循環に陥りやすいです。

「危機対応モード」状態で冷静に客観的に考えるのは無理です。この状態でのケアは、高ぶっている感情を冷ますことです。具体的な方法としては、その場から離れる(ストレスの対象から距離を取る)、呼吸法(腹式呼吸)、漸進的筋弛緩法などです。

その場から離れる

「危機対応モード」状態で刺激を受けると、冷静なときに比べて3倍くらい強く反応します。その反応は事態をさらに悪化させます。それを避けるために、ストレス源から物理的に距離を取ることが望まれます。

通常、「危機対応モード」状態は短時間で終わります。アンガーマネジメントでは6秒とされています。最低でも10秒程度、ストレス源から物理的に距離を取りましょう。職場ならトイレに避難。家庭なら別の部屋もしくは外へ出る。そんなところでしょうか。

呼吸法

感情が高ぶっているとき、呼吸は浅く速くなっています。リラックスしているとき、呼吸は深くゆったりしています。意識して深くゆったりした呼吸をすることによって、感情を落ち着けるのが呼吸法です。

近年流行しているマインドフルネス瞑想も有効です。マインドフルネスに関する多くの書籍が出版されています。興味がある方は手に取ってみて下さい。

漸進的筋弛緩法

名称はむずかしいですが、やることは簡単です。身体の力を抜くだけです。

感情が高ぶっているとき、身体は力が入って固くなっています。力が入りすぎて筋肉痛になるという方もいらっしゃいます(多少の誇張があると思いますが)。リラックスしているとき、身体は力が抜けてゆったりしています。身体の力を抜くことによって、感情を落ち着けるのが漸進的筋弛緩法です。

具体的な方法は大阪府ホームページのリーフレットがおすすめ

呼吸法と漸進的筋弛緩法の具体的な方法は、大阪府のホームページに公開されている「気軽にリラックス(PDF)」をダウンロードして活用して下さい。当カウンセリングルームに来談される方にもおすすめしています。

得意技・合わせ技を持つ

リラクセーションの方法は他にもたくさんあります。これでなければいけないというものではなく、自分に合うものを持っておくのが望ましいです。また、1つに頼るのではなく、複数持っておくとさらに効果が望めます。

「警戒モード」のケア

「警戒モード」とは、「危機対応モード」は脱したけれど、また来るかもしれないと緊張して、危機に備えてピリピリしている状態です。

「警戒モード」は長時間持続しやすいです。常にピリピリしているので疲労が蓄積します。疲れやすい人はこの状態にいるかもしれません。疲労が蓄積すると余裕がなくなります。余裕がなくなると小さな刺激に大きく反応しやすくなります。

「警戒モード」のケアは、冷静な状態である「予防モード」へ向かうプロセスを促進させることです。

具体的なケアは、感情に触れて、感情を認めることです。あえてそのときのことを思い出して、そのときの感情に触れます。「怒るのも仕方ないよね」「不安になるのも仕方ないよね」「よくガマンしたよね」と認めてあげます。

「怒ってはいけない」「恐がってはいけない」などと感情を否定したり、ガマンしすぎると、かえって「警戒モード」が持続します。

感情に触れると必要以上に気持ちが高ぶることあるかもしれません。そんなときは、先に紹介した呼吸法や漸進的筋弛緩法などのリラクセーションを行って、高ぶりすぎないように調整します。

「予防モード」のケア

「予防モード」とは落ち着きを取り戻した状態です。物事を客観的に多面的に見て、検討することができます。ここで思考の偏りがないかなどを検討しながら、しっかり考えて着地点を見つけます。

例えば、次のようなことがあったとします。Aさんが仕事の帰り、駅で電車を待っていました。そのとき友人が目の前を通りました。声をかけましたが、友人は反応せずに素通りしました。

友人が私の前を素通りした

Aさんは「私はいつもこうなんだ(誰も気にかけてくれない)」と思って悲しくなりました。翌日も駅で友人を見かけましたが、気づかいないふりをして声をかけませんでした。

Aさんに起きたことを視覚化すると下図になります。

自己評価が不安定な人の例

誰もがAさんと同じ反応をするわけではありません。下図のような反応をする人もいます。

自己評価が安定している人の例

Bさんは「(いつもと違うのは)何か心配事でもあるのかな?」と友人を心配しました。

同じ状況でも感じ方が異なるのは、その人の受け取り方の違いにあります。受け取り方とは予測に過ぎません。しかし、ほぼ事実のように受け止めます。それが感情を引き起こし、行動を決めます。

Aさんの場合、友人は単に気づかなかっただけという可能性もあるのに、友人との接触を避けることによって、他の可能性に気づく機会を持てなくなりました。このようなことを繰り返すと、「私はいつもこうなんだ(誰も気にかけてくれない)」という考えを強化する悪循環に陥ります。

「予防モード」では、受け取り方を色々な角度から分析して、現実的な考えに修正するなどのケアを行います。そうすることにより、同じような状況に置かれても適切に対処できる自分を作っていきます。

以上は1つの例です。クライエントや状況に応じて最善の対処を選択しながら進めていきます。

感情と上手く付き合えば、適切に考えて、適切な行動を取れるようになります。適切な行動は、対人関係において相手に良い刺激を与えます。良い刺激には良い反応が返ってくるものです。この積み重ねが自信を育てます。

<参考>
下園壮太(2017)『人間関係の疲れをとる技術』朝日新聞出版

自信の育て方(3つの自信)

3つの自信

「できる」の自信(行動)

1つ目の自信は「できる」の自信です。能力についての自信です。「数学が得意」「営業力がある」など特定のテーマごとの評価です。自信と言えば一般的に、「できる」の自信を思い浮かべる方が多いと思います。

自己効力感という言葉が近い概念です。自己効力感とは、ある状況において、行動や結果をコントールできるという感覚のことを言います。「できそう」「できるだろう」という感覚です。自己効力感は行動の意欲を左右します。

「できる」の自信をつける方法はシンプルです。能力を向上させたり、達成や成功の体験を増やすことです。「できる」が増えると自信がつきます。一つの「できる」がきっかけとなって、さらに「できる」が増えていくこともあります。

「できる」の自信が育つことで解決に至る人がいる一方、そうではない人も少なくありません。あなたの周囲にも、今のままで十分優秀なのに、社会的ステータスが高いのに、自信がない人がいるかもしれません。

それは、2つ目の自信、3つ目の自信が欠けているからです。

「あり方」の自信(自己評価、自分自身との関係)

人には長所もあれば短所もあります。それらすべてを認めた上で「ありのままの自分」を肯定する気持ちです。それが2つ目の「あり方」の自信です。自己肯定感という言葉はこのことを意味します。

「できる」の自信は特定の状況における自信ですが、「あり方」の自信は広く生活全般に関わります。苦しい状況に置かれても「なんとかなる」「やるだけやってみよう」という気持ちにさせるのは「あり方」の自信です。

「あり方」の自信が欠けていると、何かあるたびに「もうダメだ」という気持ちになってしまいます。「あり方」の自信があれば、「できる」の自信が足りなくても背中を押してくれます。

「できる」の自信だけに頼る自信は時にもろいです。自分より優れた能力を持つ人は必ず存在します。体調などが悪くてパフォーマンスを発揮できなければ自信が崩れます。そんなときでも「あり方」の自信を持っている人は安定しています。

「できる」の自信をつける方法は成功体験を増やすことでした。成功に到達するまでには一度や二度の失敗を経験するものです。「あり方」の自信がある人にとっての失敗は、それを失敗したという事実があるだけ。それ以上でも以下でもありません。

「あり方」の自信がない人は、失敗を現実より大きくとらえます。単なる失敗ではなく、例えばダメな自分の証明であるかのように。そうなると再チャレンジできません。そんな想いをしたくないので挑戦を避けます。

避けると成功体験ができません。「できる」自信が育ちません。加えて、避けた自分を責めます。真面目な人ほど自分を責める傾向があります。そうして「あり方」の自信も失っていくことになります。

「あり方」の自信がある人は、一つの失敗は一つの失敗でしかありません。「なんとかなる。やり方を変えて試そう」となります。行動するから成功の確率が上がります。「できる」自信が育ちます。その繰り返しで「あり方」の自信も育ちます。

「受け入れられる」自信(他人との関係)

3つ目の自信は、「受け入れられる」「人間関係をうまくやれる」自信です。「愛される」自信とも言われます。

この自信がない人は、失敗を現実より大きくとらえます。人は他者に受け入れられたい存在です。「受け入れられる」自信はないけど受け入れてもらいたい。そのためには、失敗しないことです。

失敗しなければ受け入れられる。逆に言うと、失敗すると受け入れられない。失敗が恐くなります。失敗が恐くなると行動できなくなります。「できる」の自信は育ちません。行動しなければ人との交わりが促進されません。「受け入れられる」体験ができません。

この自信がある人は、いざというときには援助を得られるという感覚があります。援助を受けることに過剰に引け目を感じません。援助の手をさしのべる人は、素直に受けてくれる方が気持ちがいいものです。援助は素直に受けた方が関係性が良くなりやすいです。

逆に、この自信がない人は、援助を受けることは援助者に迷惑をかけることと思っています。手をさしのべられても断ります。もしくは過剰に恐縮します。次から援助を申し入れしにくくなります。関係が深まりにくくなります。

自分を変える必要はなく、付け加えれば良い

あなたが今、自信がなくて悩んでいるとしても、あなたのすべてが悪いわけではありません。今までちゃんと生きてこれたのは、今のあなたで大丈夫だからです。あなたの考え方や行動様式が概ね大丈夫だったからです。

短所と長所はコインの裏表のようなものです。リスクを恐れずにチャレンジする人は、ビジネスにおいては概ね好意的な評価を得られるでしょう。エベレスト登山隊のリーダーとしてはどうでしょう。リスクを恐れない姿勢は、生きて帰ることが最優先の場では、危なっかしいと否定的な評価になるかもしれません。

あなたが今悩んでいるのは、ライフステージが変わったなどの要因で、今までうまくいっていた考え方や行動様式がフィットしない状況に置かれているからです。フィットするために必要なものを今までの自分に付け加えれば良いのです。別の人格になる必要はありません。なろうとしてはいけません。必要なものを取り入れていけば大丈夫です。

自信の育て方(他者との関係で育む)

「人」の「間」と書いて「人間」です。私たちは、人間関係の中で生きています。人間関係において、自分がどのような存在であるかというアイデンティティが作られていきます。

事実は他者との同意によって作られる

上の写真が紙コップであることは、誰にとっても真実です。しかし、どのような紙コップであるかは、人によって異なります。

紙コップについて、AさんとBさんが以下のような会話を交わしたとします。

Aさん「この紙コップは、見るからに頼りなくて、実際に水を入れるとフニャフニャになるんです」

Bさん「そうですね。ちょっと頼りないですね」

この会話の結果、AさんとBさんの間で、頼りない紙コップという事実が共有されました。

CさんとDさんの間で、以下のような会話が交わされました。

Cさん「この価格で作れるなんてスゴいですね」

Dさん「コストカットの様々な工夫があるのでしょうね」

この会話の結果、CさんとDさんの間で、様々な工夫によりお買い得価格を実現した紙コップという事実が共有されました。

「自分はこのような人」という事実は誰と同意したものですか

あなたが「自分はこのような人」と認識している自己像も、他者との同意によって作られた事実です。他者との同意によって作られた物語とも言えます。

他者とは多くの場合、家族、友人、教師などの身近な人です。自分物語は、自分にとって重要な人、接する頻度が多い人、一緒に過ごす時間が長い人の影響が強くなります。

その物語は紙コップの例と同じように、あなたのすべての要素を考慮されたものではなく、焦点を当てられた一部の材料から作られることが多いです。偏った材料で作られた物語であっても、一度確立すると、思考や行動はその物語に沿ったものになります。物語が強化されていきます。

自分を変えるには

自分を変えるとは、自分物語を変えることです。自分で気づいていない自分など、これまで焦点を当てられなかった要素を取り入れて物語を作ることです。当然ながら、他者と自分が同意できる物語です。

そのためには、相手を変えて語ることが役に立ちます。普段の人間関係とは異なる視点を持つ相手と語ることによって、新しい事実の発見、新しい物語への同意が起きやすくなります。

自分のことを語って、相手からフィードバックを得て、新しい物語を作っていきます。そのようなコミュニケーションに必要なのは安心・安全な場所です。手前味噌ですが、安心・安全な場所として、カウンセリングはとても有益です。

カウンセリングについて

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