
山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)
小さな成功体験、自分をほめるなどの方法は、柔道に例えると、茶帯(黒帯の一歩手前)が黒帯になるための方法です。白帯が取り組んでも有効でないばかりか、更に自信を失うこともあります。
「自信がついたら解決する」の考えから離れたところに解決があります。
『自信を持つ方法』で検索すると、「小さな成功体験を積み重ねる」「自分で自分をほめる」「他人と比較しない」「ありのままの自分を受け入れる」などの情報がヒットします。
おそらく、それらは役に立たなかったと思います。それらは柔道に例えると、茶帯(黒帯の一歩手前)が黒帯になるための方法です。白帯や黄帯が取り組んでも有効でないばかりか、更に自信を失うこともあります。
茶帯未満の人にはカウンセリングをおすすめします。他の誰でもない、あなた自身に合った取り組みを一緒に作って、一緒にゴールへ向かいます。一人で行うより、早くゴールに到達します。
このページの執筆者は、公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士の資格を持つカウンセラーです。延べ7,000人超のカウンセリング経験があります(2021年時点)。
心理学・カウンセリングを学び始めて、カウンセラーとしてスタートしてから現在まで、「自信」は私の中心にあるテーマの一つです。これからも中心であり続けるはずです。
カウンセリングで「自信」に取り組まれた方の感想を2つ紹介します。ご本人の許可をいただいて紹介しています。
今でも鮮明に覚えていますが、初めてお会いした時、本当に私の心は弱っており、自分の思っていた事、出来事を吐き出して、先生の前で過呼吸寸前になる程、声を出して号泣しました。誰かの前でこんなに涙を流したのは、後にも先にも先生だけです(笑)
あの時、たったの1時間話しただけなのに、20数年間抱え込んでいた重荷がすっと軽くなったような感覚になったのです。
その時、先生なら信じられると確信した私は、通い続けることに決めました。
それから、回数を重ねる度に、みるみる私の心は回復。それどころか最短スピードで性格が180度変わり、ネガティブだった私は超絶ポジティブに生まれ変わりました!!
これには先生もビックリ!!(笑)優等生ですね!とほめて貰いました(笑)
【クライエントの声】私は本当に生まれ変わりました
カウンセリングでは、私の話した内容について、山崎さんが多角的に質問をして下さることで、自分の気持ちを上手に言葉で表現出来ない事、自分が気づいていない感情、また、私がどういう状況、状態であるのか、についてじっくり考える時間にもなり、気持ちの整理が徐々に出来てきたように思います。自分にとっては、気づきの時間になりました。
そして、自分の本心を人に話せない、話すことに対して捉え方のヒントをアドバイスして下さり、実生活でも実践しようと思い、友達にメールでしたが、本心を伝えてみると、すんなり上手くいったので、意外と自分は大丈夫なのかも…と思えるように。。
面談ではいつも、何かありましたか?と些細なことも聴いて下さるので、自分のことをほとんど人に話さない私にとっては、自分のことを話す場として、たいへん貴重な場になりました。
カウンセリングを受け始めて9〜10ヶ月後くらいには、女子会でも「自分の本心は話すことが出来なかったけど、今回は、ま、いっかー」など、気楽な気持ちで過ごすことが出来るようになり、カウンセリングを受け始めた時期に比べて大変気分が安定してきました。
【クライエントの声】楽な気持ちで過ごせるようになりました
解決のステップは以下のようになります。
「自信がない」で終わらずに掘り下げて下さい。自信がないことで何が問題となっているのか。どのような困りごとが起きているのか。具体的に表現して下さい。具体化できなければ、問題が解決に向かって進んでいる感覚を持ちにくくなります。
例えば、以下のような困りごとが考えられます。
【自信がないことによる困りごとの例】
具体的になりましたが、まだ足りません。日常生活レベルでどのように困っているのかを明確にします。
【自分の意見を言えない】具体例
Mさんの「自信がない」は、引っ込み思案で人前で話せないことでした。特に仕事において問題が生じていました。上司から会議やミーティングでの積極性な発言を期待されています。Mさん自身は期待に応えられない自分に失望しています。自分を変えたいと思っています。
初回のカウンセリングでMさんは、「プロジェクト会議で意見や提案を発表する」という目標を立てました。自信を持てるようになった自分の姿を想像して出てきたものでした。
カウンセラーは、まずは「小規模なグループで発言する」ことを最初の目標として提案しました。小さな目標達成を積み重ねてゴールを目指すのが目標設定のコツです。
【目標設定のコツ】
「自信をつけよう!」ではありません。「自信の問題が解決したら、どのように行動しているだろう」です。常にその行動を選択しているなら、もはや自信のあるなしはどうでもいいはずです。
目標設定の次は行動実験です。失敗もデータです。うまくいかない方法がわかりました。次回の成功の種です。言い換えれば失敗はありません。行動しようと試みたけれどできなかった。これもデータです。より小さな目標が望ましいことが明らかになったからです。
問題の明確化・目標設定をカウンセリングで行います。日常生活で目標に基づく行動実験を行います。結果をカウンセリングで振り返ります。次の目標設定を行います。そして行動実験を行います。この繰り返しで解決に向かいます。
ただ「小さな成功体験」を積み重ねることや「自分をほめる」に効果がないのは、その体験の先にあるものが、自分の望みと一致していないから、自分にとって重要でないからだと考えられます。
「自分がやりたいことは何か?」「やりたくないことは何か?」「自分の強みは何か?」「自分が興味を持てるのはどの分野か?」「自分が人生に求めるのは何か? 」
これらの問いに即答するのはむずかしいことが多いです。カウンセリングを継続する中で、徐々に明確になっていくことが多いです。
自己理解を深める方法は多岐に渡ります。日記を書く、定期的に行動を振り返る、興味を持ったものを試す、読書、等々。あなた自身に合う取り組みを一緒に模索して、一緒に行います。
カウンセリングを受けられた方の感想をもうお一人紹介します。この方は京都から4ヶ月間、通って下さいました。
カウンセリングを終えて、行ったり来たりの自信のない気持ちに振りまわされることもありますが、一度気持ちを落ち着けたり、親友に話してみたり、本を読んだり、まあいっかと思ったりしてカウンセリングを受けていたときにしていた行動をして、気持ちを冷静に見られることができるようになったかなと思っています。
激動の4ヶ月、自分を見つめ直せた4ヶ月、あっという間の4ヶ月でした。本当にカウンセリングを受けて良かったなと思っています。受けていなかったら、未だに4ヶ月前の私のままだなと。
自分だけではわからなかった自分を見つけることができて本当に良かったです。気持ちよく新年を迎えられそうです。ありがとうございました。
【クライエントの声】気持ちを素直に伝えられるようになりました
心の中に抱える不安や悩みは、一人で考えていると大きく感じることがあります。しかし、そんな時にこそ、外部の視点や専門的な支援を求めることで、新しい解決の道や自分自身の可能性を発見することができます。
自信は人との関わりにおいて傷つき、人との関わりにおいて育ちます。言葉にするのは簡単ですが、人との関わりにおいて傷ついた人が、自分から関わりに飛び込むのは、恐れと不安が伴います。
カウンセリングを最初の一歩にしてみませんか。カウンセラーはすべてを肯定的に受け止めます。特にブリーフセラピストは、日常で問題とされる行動も解決行動と捉えて、その意図と努力を理解し、労います。
心からのサポートをお約束いたします。最初の一歩を踏み出して下さい。