夫婦会議のススメ(2)

執筆者:公認心理師・山崎孝

夫婦会議のススメ(1)の続きのエントリーです。

「夫婦会議が有益らしいのは理解できるけれど、お互いとても忙しくてそんなことをする時間がない」という方の何かのきっかけになれば、と思って書きました。

アイゼンハワー・マトリクス

アイゼンハワー・マトリクスというタスク管理のテクニックがあります。アメリカ第34代大統領、ドワイト・D・アイゼンハワーが行っていたことで有名です。有名というか、彼の名前が名称となっています。

タスクを緊急度と重要度で分類します。【緊急&重要】【非緊急&重要】【緊急&非重要】【非緊急&非重要】の4つに分類されます。その分類によって優先順位を決定します。下図(「アイゼンハワー意思決定マトリクス」という)のように可視化します。

私のタスクを分類すると以下のようになります。

【緊急&重要】明日締切の仕事

信用に関わりますので【緊急&重要】であることに異論はないでしょう。

【非緊急&重要】自己実現・家族の幸せ

目標達成・スキルアップ等の自己実現につながること、家族の幸せは、私にとって仕事より重要度が高いものです。締切というものがありませんので、緊急という感覚はありません。

【緊急&非重要】光熱費の支払い

私の生活における重要度は低いです。遅れていいものではありませんが、緊急度が高いという感覚はありません。

【非緊急&重要】SNS

私にとってのSNSは息抜き目的が98%です。なくても困りません。

以上をアイゼンハワー・マトリクスに当てはめると下図のようになります。

ボール・砂利・砂・水

こちらもタスク管理に関するお話です。

ある日の講義にて、教授は教壇に大きな壺をドンと置きました。

教授は壺にゴルフボールを入れました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と学生に聞きました。学生は「入りません」と答えました。

教授は砂利をゴルフボールの隙間に入れました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と聞きました。学生は「もう無理でしょう」と答えました。

教授はを砂利の隙間に入るように注ぎ込んでいきました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と聞きました。学生は「入るのでしょうね」と答えました。

教授はを注ぎ込みました。

教授は【 ボール ➡ 砂利 ➡ 砂 ➡ 水 】の順に入れました。もし、水から入れたらどうなるでしょう。残りの3つは入りません。砂利から入れると、砂と水は入りますが、ボールは入りません。

【壺】は時間です。時間は有限です。順番を間違えると、大切なことがいつまでも未完了・手つかずで残ってしまいます。

あなたのボールは何ですか?

【 ボール・砂利・砂・水 】を私のタスクに当てはめてみました。下図になります。

『重要なことが緊急であることはほとんどなく、緊急なことが重要であることもほとんどない』と言われます。私にとっての【ボール】は【非緊急&重要】です。言葉の通りです。

恥を忍んでカミングアウトすると、ボールが最も大切なはずなのに、日々の忙しさを理由にボールを後回しにしがちです。ときには水(SNS)で時間を浪費していることさえあります。たまには良いかもしれませんが、これが日常化すると、人生を終えるときに間違いなく後悔すると思います。

「新しいスケジュール帳には、最初に家族の予定を入れる」とおっしゃる著名人の記事を読んだことがあります。そうしなければ、ボールが後回しになりがちだと知っているからだと思います。公私ともに充実するためのライフハックだと思います。

ボールが後回しになりがちの方は、ときには強引にタスクの先頭に入れてみてはいかがでしょう。思い立ったが吉日です。