しまった!間違えた!→私は「いつも」大事なところで失敗する(過度の一般化)

執筆者:公認心理師・山崎孝

自分をつらくさせる考え方のクセ ー 過度の一般化

「いつも」大事なところで失敗する:過度の一般化

コップの中の水にインクを一滴たらすと、さーっと広がって染まっていきます。

良い仕事をたくさんしてきたのに、一つのミスが起きた途端、成功を失敗で覆い隠してしまいます。そして、「私は『いつも』大事なところで失敗する」と一般化しすぎるのが「過度の一般化」です。

特徴は『いつも』や『すべて』という言葉を使うことです。

『いつも』失敗してるわけないですよね。現実は成功していることのほうが多いはずです。仕事はうまくいって当たり前という認識があります。なので、成功という認識を持ちにくいものです。

私たちは、日々たくさんの情報を受け取って、たくさんの決断を行っています。すべての情報を精査する時間がありません。そのため、過去の経験に基づいて情報を処理します。一般化しているわけです。

一般化は日々効率的に情報を処理するために必要なことです。そして、概ね効果的に機能しています。しかし、裏目に出ると「過度の一般化」となり、自分自身を苦しめることがあります。

「過度の一般化」に対処するには、まずは『いつも』を使ってることに気づくことです。そして、物事を抽象的に評価することをやめて、現実に起きていることに基づいて評価するようにしましょう。

夫婦ケンカで、「『いつも』あなたは〜だ!」とパートナーを責める人がいます。これも一般化ですね。本当に『いつも』という例外もあると思いますが。。。

「『いつも』あなたは〜だ!」とパートナーを責めると、「『いつも』は言い過ぎだ!」と話が変な方向へ流れてしまうことがあります。実際、カウンセリングルームでそのようなケンカを始める夫婦・カップルもいます。

部下や子どもを叱るとき、「『いつも』おまえは〜だ!」とやると、良い結果は期待しにくいです。「『いつも』は言い過ぎだろ」と反感を買うかもしれません。全否定されたと萎縮するかもあります。

ネガティブな話での『いつも』は要注意です。