上司の機嫌が悪いのは、私の仕事が不満だからに違いない(個人化)

執筆者:公認心理師・山崎孝

自分をつらくさせる考え方のクセ ー 個人化

良くないことが起こると、自分に関係がないのに自分の責任と思ってしまう「個人化(自己関連づけ)」

良くないことが起こったとき、自分に関係ないことでも自分の責任と思ってしまうクセです。自己関連づけとも言います。上司が同僚を叱責しているとき、そのミス(またはトラブル)の原因は自分にある、とまで思ってしまうこともあります。

逆に、良いことが起こったときには自分に関連づけません。自分自身を不公平に扱っていると思いますが、その矛盾に自力で気づきにくいのは他のクセと同じです。

個人化に限らず、自分自身を苦しめてしまう考え方のクセは、物事を一面的にしか見ていないために起こります。強い感情に翻弄されているときには尚更です。

対策としては、物事を多面的に見ることです。上司の機嫌を悪くさせる要素は多くのことが考えられます。例えば、今朝夫婦ケンカして虫の居所が悪い。例えば、上司の上司に叱責されて機嫌が悪い。例えば、同僚の仕事が不満で不機嫌。他にも色々な可能性が考えられます。

自分にこのような質問をする方法があります。

  1. 最悪のことが起こるとしたら、どのようなことが起こるか?
  2. 最良のことが起こるとしたら、どのようなことが起こるか?
  3. 最悪でもなく最良でもないことが起こるとしたら、どのようなことが起こるか?

あえて最悪と最良を考えることによって、現実的な考えにシフトしやすくなります。

強い感情に巻き込まれているときは、物事を一面的にしか考えられないものです。まずは腹式呼吸などのリラクセーションを行い、感情を鎮めてから上記の質問をするのが好ましいです。