不倫・浮気からの修復

不倫・浮気の相談でお越しになる夫婦・カップルは多くの場合、『した側』は修復を希望して来談されます。『された側』は修復を決断されている方と、日によって修復に傾いたり、日によって別れに傾いたりして、葛藤の最中にいる方がいらっしゃいます。

ほとんど別れを決断している『された側』の方が、その決断で本当に大丈夫なのか、後悔しないのかを整理・確認するためにカウンセリングを利用されるケースもあります。

(修復または別れの)決断

パートナーの不倫・浮気や離婚は人生における一大事です。自分一人の問題として十二分に大きいことに加えて、子どもや家族にも影響を及ぼします。自分一人だけの問題ではないことは、決断をよりむずかしくします。

『した側』は誠意を示すべく、懸命に努力していると思います。『された側』は、気持ちは伝わってくるものの、信用して大丈夫なのだろうか、その誠意は今だけで長続きしないのでは、また裏切られたら、等々の考えが浮かんできて、堂々巡りから抜け出せないことも少なくありません。

整理して決断に向かうには、安心・安全な場所で、安心・安全な相手に話す機会(要するにカウンセリングです)が役立ちます。話すには、感じていること、考えていることを言語化する必要があります。そのプロセスは整理のプロセスでもあります。

【言語化➡話す➡整理➡言語化➡話す➡整理】のサイクルを回すと決断に向かえます。

安心・安全な場所で、安心・安全な相手だからこそ、日常生活では話しにくいことも話せます。カウンセラーは、まだ言語化されていない気持ちや考えも言語化されるように、効果的な言葉がけや質問を行います。自分の頭の中に加えて、カウンセラーの頭の中も使って整理を進めて決断に向かいます。

「家族や友人は私の味方になってくれる」「それはありがたいけど、中立的な第三者の話も聞いてみたい」とカウンセリングにお越しになる方もいらっしゃいます。

修復を決断したら

『した側』にとっては、発覚したことで不倫は終結しました。後ろめたい気持ちがなくなり、ある意味スッキリしているかもしれません。パートナー以外の異性から好意を持たれる経験によって、自己肯定感が高まる人もいるようです。

『された側』にとっては、世界が一変する経験です。これまで、人や世界は概ね安心・安全と思って生きてきました。安心・安全な毎日が危険な毎日に変わりました。また、自分自身の存在価値を信じられなくなる人もいます。

修復を決めた瞬間、『した側』は修復に向かうスタートラインに立てます。『された側』は、スタートラインの遙か後方にいる状態であることが多いです。スタートラインにつくには、心の傷のケアが必要です。

心の傷のケア

トラウマとは

された側の苦しみを理解するには、トラウマ(心的外傷)の理解が役立ちます。本当のトラウマとは、「○○がトラウマで〜」と日常会話で話すような軽いものではありません。生死に関わるような危険など、強烈な恐怖体験による心の傷です。

トラウマによる心の病は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)として知られています。その定義を紹介します。

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。

PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省より引用

米国精神医学会診断統計マニュアル第5版(DSM-5)の基準によれば、PTSD(心的外傷後ストレス障害Post-Traumatic Stress Disorder)とは、実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことをさします。

PTSD とは | 日本トラウマティック・ストレス学会より引用

繰り返しになりますが、自分の存在(価値)が脅かされる体験です。概ね安心・安全だと思っていた世間の人たちや世界が、とても危険なものに変わる体験です。安心・安全な毎日が、危険な毎日に変わる体験です。

不倫・浮気そのものは擁護できませんが、不倫・浮気に至った『した側』の事情を理解できるケースもあります。『不倫・浮気はダメだ』と言うだけでは再構築できません。再構築するには、『した側』だけではなく、『された側』にも変化が求められるケースがしばしばあります。

しかし、そうであっても、最初に『された側』の心の傷がケアされなければなりません。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を知ると、『された側』の言動を理解しやすくなります。主な症状は以下の4つです。

侵入症状

つらい記憶や感情が突然よみがえる。悪夢見る。フラッシュバックが起こる。

回避症状

つらい記憶を思い出させるような人物、事物、状況や会話を回避する。

否定的な考えや気分

感情を麻痺させることによって苦痛を避けようとする。やさしさや愛情などプラスの感情も感じられなくなる。

過覚醒

常に神経が張り詰めている。怒りっぽくなる。イライラしやすい。集中できない。いつも警戒している。

穏やかに会話していても、急に様子や態度が変わったりすることがあります。ふいに、もしくは何かのきっかけで思い出したのかもしれません。侵入症状によるものかもしれません。

不倫・浮気を思い出させるような場所や物事を避けるようになります。回避症状と考えられます。あえてそのような場所に行って、プラスの思い出で上書きするんだ、とおっしゃる方もいます。

私たちは苦しみなど苦痛な感情を避けるために、感情を麻痺させることがあります。自分を守ろうとする心の営みですが、家族や友人への愛情などプラスの感情も麻痺させてしまいます。

これまで安全と思っていた世界が危険なものに変わりました。常に危機に備えて緊張します。ちょっとしたことに過敏に反応します。同じことを何度も繰り返し聞くのは安全確認でしょう。何度確認しても安心できません。

心の傷を理解する

『された側』にとって、安全な日常が危険な日常に変わりました。以前の日常が頑丈な橋なら、現在の日常は今にも落ちそうな吊り橋です。一歩一歩安全確認が必要です。何度も同じことを聞くのは安全確認の一つです。

また、これまでの人生や自分に対する認識が一変します。

  • 女性(または男性)としての価値がないと感じる。
  • 人として存在する価値を感じられなくなる。
  • 一緒に過ごしてきた人生が無意味なものに感じる。
  • 将来を考えると絶望しかない。
  • その他。

『した側』に求められるのは、単に「申し訳なかった」と謝罪することではありません。浮気されたことがパートナーにとってどのような意味があるのか、どのような気持ちにさせられているのか。それらを理解することが求められます。

二度と繰り返さないために

『された側』の心のケアが進んで、次のステップへ進める程度に落ち着きを取り戻したら、同じことを繰り返さないための取り組みを始めます。

不倫・浮気の行為そのものの責任は、全面的に『した側』にあります。一方、『した側』を不倫・浮気へ向かわせた背景には、『した側』だけではなく『された側』にも原因があるかもしれません。二度と繰り返さないためには、その背景を明らかにして、改善を図る必要があります。

軽い気持ち

風俗通いをしていた人に多いのが「軽い気持ち」からです。パートナーに隠している人がほとんどなのは、パートナーが良く思わないのをわかっているのでしょう。ただ、仮に発覚しても、パートナーにとって何を意味するかを「軽い気持ち」で考えている場合がほとんどです。

この場合は、『した側』が認識を改めることが必要です。『された側』にとってトラウマ体験になるのを理解すること。『した側』の積極的に理解する姿勢と、傷ついた心をケアする姿勢が『された側』に伝われば、(徐々に)改善に向かうことが多いです。

不倫・浮気の背景

『した側』だけではなく『された側』も振り返る必要があるのは、夫婦・カップル関係の悪化が背景にあるケースです。不倫・浮気そのものは、背景に何があっても正当化できません。しかし、二度と繰り返さないためには、背景に取り組む必要があります。

コミュニケーション

家庭とは一つの国のようなものです。家庭ごとに文化や価値観などがあります。夫婦は、それぞれ別の国で育った二人が国を出て、新しい国を作ることと言えるかもしれません。

文化や価値観の相違を埋めるのはコミュニケーションです。対立が生じても、お互いが納得できる着地点にたどり着けるコミュニケーションができていれば、関係は発展に向かいます。できていなければ、一方もしくは双方がストレスを積み重ねる原因になります。

コミュニケーションの詳細は以下のページをご覧下さい。

ライフステージの移行期

出産や子どもの進学など、ライフステージの移行期に危機が起きやすくなります。子どもが生まれると、妻には母親の役割が、夫には父親の役割が発生します。子どもが成長すると、求められる役割の質が変わります。夫婦に変化が求められるライフステージの移行期は、危機が起こりやすい時期です。

危機を乗り切るには良好なコミュニケーションということになりますが、特に危機が起きやすいタイミングとして認識しておくのが望ましいです。ライフステージの移行期の危機については以下のページをご覧下さい。

その他

セックスレス、DV・モラハラ、家族(子ども・実家)問題などがあります。

不安との向き合い方

『した側』がどれだけがんばっても、すぐには信用できないのはもっともなことです。

不倫・浮気相手といつどこへ行ったかなどを詳細に聞くのは、『された側』によく見られる行動です。同じことを何度も聞いて、前に聞いた内容と不一致があれば責めます。「まだ隠していることあるのかも」「まだ続いているのかも」と不安になります。

GPSをつけたり、行動を逐一報告させるのも、よく行われます。謝罪や誠意として『した側』からGPSをつけると申し入れするケースもあります。

そうする気持ちは痛いほどわかります。しかし、それを続けていると、お互いに疲弊します。修復に向かうエネルギーが枯渇することもあります。発覚直後はやむを得ないと思いますが、それを続けていると、かえって修復が遠のく事態も考えられます。

強迫症(強迫性障害)という心の病があります。代表的なものの一つに「不潔恐怖」があります。汚染の不安から過剰に手洗いを行います。過剰な手洗いを行った直後は安心を得られます。しかし、元々の不安は維持されます。大きくなることもあります。不安を解消するための行動が、不安を維持または発展させるのです。

不倫・浮気相手といつどこへ行ったかなどを詳細に聞くこと、GPSをつけさせることは、不安を解消するための行動です。不安を解消するためのこの行動は、不安を維持または発展させることに繋がりかねません。不安の対処もカウンセリングで取り組みます。

修復を目指す夫婦・カップルをサポートします

夫婦・カップルカウンセリングで行われるサポートには以下のようなものがあります。

相互理解の促進

不倫・浮気が本人にとって何を意味しているのか、『された側』が求めていることと『した側』が実行していること・実行しようとしていること、その他。それらについて、お互いの認識がズレているケースがしばしば見られます。「わかってくれない」と「これだけやっているのに」がぶつかり合うのはズレによるものでしょう。この状態では、がんばればがんばるほどズレが大きくなり、お互いに消耗するだけになりかねません。ズレを解消して相互理解を促進するサポートを行います。

コミュニケーション

話し合いを試みても感情のぶつけ合い。相互理解以前にコミュニケーションそのものが成立しないケースも少なくありません。カウンセラーがお二人のコミュニケーションに参加するだけでも、感情が抑制されてコミュニケーションが成立しやすくなります。

表現の仕方を変えると、これまで伝わらなかった、受け取ってもらえなかった考えや気持ちがスッと受け入れられることがあります。カウンセラーはお互いの発言を受けて、伝わりやすいであろう表現に言い換えるなどします。そうして円滑なコミュニケーションの実現をサポートします。

具体的な取り組みの考案

『された側』が『した側』に過大な要求をすることがあります。気持ちは理解できますが、無理な要求をして実現できなければ、関係は更に悪化することになりかねません。現実的で継続可能な取り組みを一緒に考えていきます。

動くから何かが変わる

じっとしている間は何も変わりません。まずは動いてみることです。一度お試し下さい。具体的な取組をお示しできると思います。継続するか否かは、その後にお考え下さい。

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