楽しいデートだったのに、この酷い渋滞で台なしだ(白黒思考)

執筆者:公認心理師・山崎孝

自分をつらくさせる考え方のクセ ー 白黒思考

完璧主義を捨てる賢明さを

オール・オア・ナッシング(全か無か)思考とも言います。「(いつも100点を取ってるテストなのに)今回は80点だった。もうダメだ」、「全部片づけられないなら、何もしない方がマシだ」のような考え方です。完璧主義ですね。

友人と言い争いをしたときなど、「彼(彼女)と良い友人でいるのはムリだ」となるのもこの考え方のクセから来るものです。良い友人関係を継続するのがむずかしくなりますね。

すべてにおいて白黒をはっきりさせたいかというと、そうでもありません。重要度が低いことはグレーでも構わないようです。大切な価値観ほど共有したいという考えは自然です。ただし、行き過ぎるとお互いがしんどくなります。

このクセが強い人に共通するのは、自分を条件付きでしか認められないことです。「〜ができたら自分は大丈夫」。逆に言えば「〜できなければ自分はダメ」。無条件で自分を認めることがむずかしいのです。言い換えると、自尊感情が低い、自分に自信がない人となります。

人間、誰でも得意なことも不得意なこともあります。あなたの友人もそうでしょう。あなたが友人に感じているのは、長所だけでなく、短所も含めた全人格が好ましいということです。友人があなたのことを好ましく思っているのも、長所だけを見てるのではなく、短所も含めた全人格が好ましいからです。

お互いに、完全じゃなくても好きなのです。完全である必要はないのです。

私は特に、自分に自信がない人のサポートに力を入れてます。感情のケア、思考のケア、行動のケアを通じて、自尊感情を高めて安定させるお手伝いをしています。