1964年と言えば、私が生まれた年です。ローゼンタール(ローゼンソール)とジェイコブソンという心理学者が、ある実験を行いました。
ピグマリオン効果
ある小学校で「知能テスト」を行いました。
実は、このテストには何の意味もありませんでした。しかし、担任には「今後、成績が伸びる子供を割り出すため」と説明されていました。
意味のないテスト成績の名簿から数名の子供をピックアップして、担任に「この子は今後、驚異的に成績が伸びる」と教えました。
その結果、ピックアップされた子供は他の子供より、群を抜いて成績が向上しました。
担任による、ピックアップされた子供たちへの期待が、意識的にも、無意識的にも、声や表情、しぐさなどの態度によって伝わり、影響を及ぼしたと考えられます。
相手を心から信じて期待すると、期待した側が、自然と期待が現実になるような行動をするようになります。この現象を「ピグマリオン効果」と言います。
ピグマリオンとは、ギリシア神話に出てくる王のことです。
女性の彫刻に恋い焦がれたピグマリオン王が、食事を与えたり話しかけたりして愛情を注ぎ込みました。その姿を見た神が、その彫刻に命を与えた。という神話が由来となっています。
好意の返報性
私たちには、好意には好意でお返ししたいという習性があります。
これを「好意の返報性」と言います。
子供たちの成績が向上したのは、期待してくれる担任に対して、
「好意の返報性」が働いたとも考えられます。
根拠があろうがなかろうが、
まずは信じて、そして期待することなんですね。