昨日、認知行動療法のオンライン研修を受講しました。講師は、少年院・刑務所でカウンセリングをされている心理師さんでした。教科書からは得られないであろう、知恵や工夫を手ほどき下さいました。とても有益な内容でした。
心に響いたのは、「日々心がけていることを教えて下さい」の質問に対する講師の回答です。以下のようにおっしゃいました。
目の前のクライエントさんを好きになるというのは常に心がけています。
好きになっているフリをするのではありません。フリをしても、クライエントさんには必ずバレます。
「この人の魅力を発掘しよう!」という意識を持ってカウンセリングをしています。
(私の主観に基づく意訳です。言葉は正確ではありません)
カウンセラーもカウンセリングの道具です。ある研究によると、カウンセリングの効果は、心理療法の違いより、クライエントとカウンセラーの関係性の影響が大きいとのことです。感覚的にもその通りで、良い関係ができた時点で、そのカウンセリングの成功は約束された、くらいに感じます。
傾聴を学ぶときに必ず触れる「無条件の肯定的配慮」という言葉があります。カウンセラーが備えておくべき姿勢の一つです。クライエントさんの話を肯定的な関心を持って聴き、肯定的に受け止める、という姿勢のことです。
受身的な姿勢に感じますが、「無条件の積極的関心」とも訳されるので決して受身ではありません。しかし、「この人の魅力を発掘しよう!」は自分から探しに行くという点で、より積極的です。この言葉に、ハッとさせられました。
カウンセラーはカウンセリングの重要な道具です。知識やスキルにばかり焦点が当たりがちでした。初心に返る機会を与えてくれました。