末っ子が巣立ちました

執筆者:公認心理師・山崎孝

うちには、長男、長女、次女の3人の子どもがいます。4月1日より次女が社会人となりました。美容専門学校を卒業して、美容師として第一歩を踏み出しました。

とても感慨深いものがあります。

私は本当にダメな父親で、特に長男に対しては、最低の父親だと思います。彼が幼い頃から怒って育てました。「叱る」ではなく「怒る」です。育てたとは言えないかもしれません。

彼は昨年、東京の企業に就職しました。高校生の頃からほとんど会話しなくなりました。就職してからは没交渉です。コロナ禍で正月も帰省しませんでした。帰らないとの連絡もありませんでした。コロナ禍じゃなくても帰ってこなかった気がします。

私には、連絡しなさいなんて言える資格はありません。私が彼でも同じようにしているでしょう。

長女に対しては、長男ほどではないにしても、怒っていたのは変わりません。会話はできますが、精神的な距離は明らかです。彼女は来年、大学を卒業します。長男と同様、いずれ没交渉になると思います。さびしいけれど、自分で蒔いた種です。

上の2人と比較すると、次女とは精神的な距離は近いと思います。3人目で慣れたこと、生活苦が多少改善されて、私の気持ちに少し余裕ができたことなどが要因だと思います。次女だけは、私とツーショット写真に収まってくれました。

それでも、吹奏楽部(わが子3人とも高校まで吹奏楽部)の他の親子を見ていると、精神的な距離は私と次女よりずっと近いです。親子関係を振り返る度に、子どもたちへの申し訳なさと、忸怩たる思いでいっぱいになります。すべては自分自身の思考と行動の結果です。受け止めて今後に活かすしかありません。

子どもたちは私の誇りです。今この瞬間をしっかり生きています。すばらしい結果を残してくれました。結果はもちろんのこと、そこへ向かう過程、その瞬間のあり方が、結果以上に尊いと思っています。子どもたちは、とっくに親を超えたと思います。

次女は卒業式にて、最優秀技術賞をいただきました。日々朝練に励んでいたのを知っています。きちんと積み重ねて結果を出す。頭が下がります。これからも同じ生き方を続けて、人生の成功を収めるでしょう。ずっと応援しています。