
執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士
うつ病の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。主な要因として以下のようなものがあげられます。
これらの強いストレスが長期間続くことで、心身のバランスが崩れ、うつ病のリスクが高まります。
人生の大きな転換期には、ストレスや不安が高まりやすく、うつ病のきっかけになることがあります。
家族にうつ病の人がいる場合、うつ病になりやすい傾向があります。ただし、これは「必ずうつ病になる」ということではなく、なりやすさの傾向を示すものです。
セロトニンやノルアドレナリンなど、気分を調整する脳内の化学物質(神経伝達物質)のバランスが崩れることで、うつ病が引き起こされると考えられています。
完璧主義、真面目すぎる、他人の評価を気にしすぎるなどの性格傾向が、うつ病のリスクを高める可能性があります。
甲状腺機能低下症、がん、慢性疼痛などの身体疾患が、うつ病の引き金になることがあります。
冬季うつ病のように、季節の変化がうつ症状を引き起こすこともあります。
これらの要因は、それぞれ単独で作用するのではなく、複雑に絡み合ってうつ病の発症に関わっています。誰でもこれらの要因を経験する可能性があるため、「うつ病になるのは弱い人だ」というのは間違いです。むしろ、現代社会に生きる誰もがうつ病のリスクを抱えていると言えます。