うつ病の原因

執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士

抑うつ状態の女性のイメージ
うつ病・抑うつ状態の原因には様々なものがあり複合的です

うつ病の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。主な要因として以下のようなものがあげられます。

ストレス

  • 仕事や学業での過度なプレッシャー
  • 人間関係のトラブル
  • 経済的な問題
  • 長時間労働や睡眠不足の継続

これらの強いストレスが長期間続くことで、心身のバランスが崩れ、うつ病のリスクが高まります。

生活環境の変化

  • 転職や失業
  • 結婚や離婚
  • 引っ越し
  • 家族の死別

人生の大きな転換期には、ストレスや不安が高まりやすく、うつ病のきっかけになることがあります。

遺伝的要因

家族にうつ病の人がいる場合、うつ病になりやすい傾向があります。ただし、これは「必ずうつ病になる」ということではなく、なりやすさの傾向を示すものです。

脳内の化学物質のバランス

セロトニンやノルアドレナリンなど、気分を調整する脳内の化学物質(神経伝達物質)のバランスが崩れることで、うつ病が引き起こされると考えられています。

性格傾向

完璧主義、真面目すぎる、他人の評価を気にしすぎるなどの性格傾向が、うつ病のリスクを高める可能性があります。

身体疾患

甲状腺機能低下症、がん、慢性疼痛などの身体疾患が、うつ病の引き金になることがあります。

季節の変化

冬季うつ病のように、季節の変化がうつ症状を引き起こすこともあります。

これらの要因は、それぞれ単独で作用するのではなく、複雑に絡み合ってうつ病の発症に関わっています。誰でもこれらの要因を経験する可能性があるため、「うつ病になるのは弱い人だ」というのは間違いです。むしろ、現代社会に生きる誰もがうつ病のリスクを抱えていると言えます。

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