ストレスと先延ばし

執筆者:公認心理師・山崎孝

興味深い研究結果が発表されているので紹介します。

東京大学大学院総合文化研究科の開一夫教授と博士課程の柏倉沙耶らによる研究グループは、未来楽観思考を持つ人は深刻な先延ばし癖が少ないことを発見しました。未来楽観思考とは、「今よりも未来のストレスが増えることはない」と信じることです。

全文は以下のWebページに公開されています。

「今よりも未来のストレスが増えることはない」という未来に対する楽観的な見方を持つことが、深刻な先延ばし癖を減少させる可能性が示唆されました。また、先延ばしを減らし、将来のために行動するには、未来に希望を持つことや、希望を持てるようなサポートを受けることが有効である可能性も示唆されています。

私の個人的な経験とカウンセリングの経験から感じる先延ばしの心理は、

  • やり方がわからない
  • うまくできるイメージが湧かない
  • 時間内にできる気がしない
  • とても時間がかかるような気がする

のような、未来への悲観的な見方です。研究の逆からの視点ですが、同じことを言っていると思います。

先延ばしを減らすためには、未来に希望を持つことや、希望を持てるようなサポートを受けることが有効とあります。それに加えて私は他のアプローチを提案します。それは、

YouTubeを見ながらなど、適当に、雑に、始めること

です。

繰り返しになりますが、先延ばしをする人は、取りかかるときに悲観的な予測をあれこれ考えています。言語化される前の、イヤな気持ちに包まれている場合もあります。そうしているうちに、やる気がしぼみます。そして後回しにします。

YouTubeを見ながらなど適当に、ながら勉強のようにやることで、頭の中の雑念を巡らすスペースをなくしてしまいます。

「ながら勉強」で検索すると、同じようなメリットを説くWebページが相当数ヒットします。

また、最も負荷が高いのは始めるときです。一旦始めてしまうと、後はスムーズに進みやすいものです。開始時は気持ちが重たかったけれど、やり始めるといつの間にか集中していた、という経験を持つ人も多いでしょう。

整理します。雑に始めることで、

  • 頭の中の雑念を巡らすスペースを消してしまう。
  • 一旦始めてしまうと、後はスムーズに進むことが多い。

というメリットが期待できます。実際、私はこのやり方を採用して、先延ばしぐせが、かなり改善された(もちろん完全ではありません)と思っています。オススメします。