「自分のことは自分が一番よく知っている」
その通りです。
しかし、自分の「すべて」を自分が一番よく知っているのかというと、必ずしもそうではありません。
自分が知らない自分を知る機会は、他者との関わりであることが多いようです。
理由は単純です。
自分にとっての当然は、他者にとっての当然とは限らないからです。
自分には簡単にできることが、他者にはむずかしいことがあります。それを長所と呼ぶのかもしれません。自分にとって普通なので、他者からのフィードバックがなければ気づきにくいものです。
「臆病で一歩踏み出すのが遅い性格を変えたい」という方がいました。話を聞くと、確かに慎重さを感じるけれど極端ではなく、臆病は言い過ぎではないのかと感じました。
周りの人たちがどう感じているかを聞いてみるようにお願いすると、周囲も概ね私と同じ印象を持っていることがわかりました。慎重さが功を奏した経験がありました。慎重さが信頼につながっているエピソードさえありました。
性格を変える必要もなく、それで解決となりました。
このようなことを1人で気づくのはむずかしいはずです。他者との関わりが自己理解を深めてくれます。