自信がある人より自信にこだわらない人

執筆者:公認心理師・山崎孝

出勤前にテレビをつけると、フジテレビの『ボクらの時代』でした。今日のゲストは、佐藤健さん、Taka(ONE OK ROCK)さん、大友啓史さんの3人でした。

前後の文脈を忘れてしまいましたが、自信について語られたくだりを紹介します。

Takaさんが「以前の僕は自信がなくて、人前で歌うなんて考えられませんでした」とおっしゃいました。

Takaさん
Takaさん

以前の僕は自信がなくて、人前で歌うなんて考えられませんでした


ちなみにカウンセリングでは、「自信がないから、人前で歌えない」とおっしゃる方には、もう少し突っ込んでお話を聞きます。

うまく歌えないかもしれない「不安」や、悪い評価を受ける「恐れ」を、自信がないと表現しているケースがあります。不安や恐れに直面したくないから、「自信がない」に逃げているケースもあります。

回避を繰り返すと、不安や恐れが大きくなります。不潔恐怖の人は、手洗いの回数や時間がどんどん増えていきます。同じ回数や時間では恐怖を拭えなくなるからです。そうして生活の質が低下します。

「不安」や「恐れ」と上手く付き合って、生活の質が向上するサポートを行います。


話を戻します。

Takaさんの言葉を受けて、佐藤健さんがおっしゃいました。

佐藤健さん
佐藤健さん

僕には、自信があるとかないとか、そんな概念がありません。やりたいなと思ったら、さっとやります

当カウンセリングルームは『自分に自信がない』悩みの相談を数多く受けています。自信がない人が目指すべきゴールは、自信に満ちあふれた人ではなく、自信にこだわらない人だと考えています。

自信を持てなくなった原因には様々なものがあります。過去の体験や過去に負った心の傷によるものも少なくありません。

残念ながら、過去の体験をなかったことにはできません。できるのは、過去の体験や心の傷に影響を受けている「今」を変えることです。

自信がないからできないのは、過去に影響を受けすぎて行動できない状態と言えます。自信にこだわらないとは、過去に影響を受けずにやりたいこと、やるべきことをしている状態です。目指すべき姿はこれだと思います。

※ Takaさん、佐藤健さんの発言内容は、私の記憶に基づく意訳です。