婚約者に浮気された女性の相談

たまにネットの掲示板を見ます。見るのは夫婦・カップルの相談です。カウンセリングの参考になればと思って。「なるほどー!」と思わされる考えに出会うことがあります。「偏りすぎなのでは?」と思うこともあります。

危うさを感じた相談者の決断

リモートワーク、ステイホームの推進に比例して、夫婦・カップルの相談が増えています。不倫・浮気の相談が増えています。掲示板の傾向は把握していませんが、このような相談が目に止まりました。

以下のような内容です。

  1. 相談者は20代後半の女性。
  2. 20代後半の婚約者のワンナイト(一夜限りの不貞行為)発覚。
  3. 普段の婚約者はやさしくて楽しい生活だった。
  4. 婚約者は高収入のいわゆる高スペック。
  5. 彼は心から反省して自分の親にも報告して改めようとしている。
  6. やり直すか、別れるか迷っている。

婚約者は反省して、GPS、念書、SNSアカウント削除などを自ら提案しました。しかし、相談者は別れを決断したそうです。別れを決めた相談者は以下のように書き込みました。

私自身はワンナイトや不貞行為をしたことが無いので、自分が大切にしてきた価値観もなんだか毒されてしまったな…なんて感じますが、
結婚しようが、なんだろうが結局人間は生まれてから死ぬまで1人なんだと思って、強く生きていこうと思います。

上記の掲示板より引用

書き込まれたアドバイスの大半は、「浮気は繰り返されるから信じてはいけない」「別れるべき」でした。相談者が別れを報告すると、その決断への賞賛と応援の声が集まりました。

その決断の善し悪しは私にはわかりません。しかし、過激というか、偏ったアドバイスが多い様に感じました。アドバイスの影響度は不明ですが、もし大きな影響を受けいていたら、危ういなと思いました。大きなお世話ですけど。

混乱した状態で大きな決断は避けるのが望ましい

うつ病のときは、重要な決断を避けるのが鉄則です。物事を過度に否定的に見てしまうのが理由の一つです。感情に煽られて退職や離婚を決めてしまい、後で取り返しのつかない結果に至ることがあるからです。

重要な決断自体が負荷の大きな作業です。うつ病でエネルギーが枯渇しているときに重大な決断を行うのは、さらに自分を疲弊させることにつながります。

相談者の「生まれてから死ぬまで1人なんだと思って」の言葉は、かなり否定的な思考に陥っていると考えられます。重要な決断を行うのに適切な状態なのだろうか?と心配になりました。大きなお世話ですけど。

婚約者の反省は信用するに足りないのか?

婚約者が反省と誠意を示す行動として選んだのは、『GPS、念書、SNSアカウント削除など』でした。その婚約者の行動を批判する書き込みもたくさん見られました。

それらの批判のコメントは、多くは女性によるものと思われます。婚約者は相談者がどれだけ傷ついたかを理解していない。理解しようとする姿勢も感じられない。だから批判したと推測できます。

不倫・浮気のカウンセリングでも、同じように加害者がGPS等を申し入れることがあります。被害者が要求することもあります。それはこれからの不安を和らげるためであって、傷ついた心のケアにはあまり役に立ちません。

相談者は「自分が大切にしてきた価値観もなんだか毒されてしまったな…」とコメントしています。パートの不倫・浮気は、これまで当たり前だったこと(人は概ね信じられる、世の中は概ね安心)が、180度ひっくり返される体験です。自分の存在を脅かされるトラウマ体験に匹敵します。

加害者は、被害者の不安を和らげる提案の前に、傷つきの意味と大きさの理解と、理解を踏まえての謝罪が必要です。被害者は、ただ謝罪を受けるだけでは足りません。加害者が傷つきの意味を理解したと実感できなければ前へ進めません。

多くの(特に男性の)加害者は、以上のことが想像できません。仕事など日常生活において、共感的であるより、解決志向を求められる毎日を生きているからかもしれません。加害者のGPSなどの提案は、心からの誠意であることがしばしばあります。しかし、被害者には響きません。

不倫・浮気のカウンセリングでは、以上の内容を教育的にお伝えすることが多いです。しっかり理解して実行する加害者もいます。被害者の傷が完全に癒えることはないかもしれませんが、その傷を乗り越えて修復する夫婦・カップルもいらっしゃいます。

あの婚約者も、心から悔いて反省していて、今後はお手本のような夫になる可能性もあります。あくまで可能性で断言するのは無理です。結婚前なら可能性に賭けるより、別れを選ぶのが合理的かもしれません。

ネットの匿名情報に振り回されない

ネットに書き込まれる匿名の個人による情報は偏ったものが多いです。個人の体験または少数の体験を一般化していることがしばしば見られます。書き込んだ本人に起きたのは真実なのでしょう。しかし、それが万人に起こると断言できません。

一般的に、パートナーの不倫・浮気から修復(を選択)した人は、不倫・浮気の事実を周囲に話すことはしません。周囲に事実を知られるのは、修復のプロセスを進める障害になる可能性があります。「なぜ別れないの?」などと言われるのは修復のプラスにはなりにくいです。

ネットの、特に匿名の個人による情報は、鵜呑みにすると誤ることがあります。

以下のページに不倫・浮気のカウンセリングについて書いています。

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