カウンセラーのプロフィール
現在の江坂へ移転した2018年3月頃にスマホで撮ったものです。ただ私が話している姿を見てもらうためだけの動画です。今より膨よかです。
最近の私
カウンセリングの理論・技法は、来談者中心療法(傾聴)から学び始めました。来談者中心療法では、カウンセラーが「指示を出すのではなく、相談に来た方が自分自身の力で答えや解決策を見つけられるようにサポートすることを大切にしています。
日々カウンセリングを行う中で、ただ話を聴くだけではサポートしきれない場面にも出会いました。そこで、当時(今もですが)広く注目されていた認知行動療法を学び、取り入れました。認知行動療法は、「考え方」や「行動のクセ」を見直すことで、心の悩みや困りごとを改善していく心理療法です。
さらに学びを深める中で現在は、家族療法とブリーフセラピーを柱に、認知行動療法を取り入れたカウンセリングを行っています。
参考ページ:カウンセラーとしての私の姿勢について書いています。
家族療法は、問題の原因を特定の個人ではなく、集団全体の関係性や相互作用に見つけるアプローチです。ここでいう「家族」とは、職場、友人グループ、学校のクラスなど、複数の人が関わり合うあらゆる集団に置き換えることができます。
このような視点は、「問題の原因を誰か一人の責任にしない」という、人にやさしい姿勢につながります。この考え方をとても気に入っています。
ブリーフセラピーは、家族療法から派生したアプローチで、短期間(ブリーフ・brief)での解決を目指す心理療法です。「小さな変化が大きな改善につながる」という考え方を大切にし、今すぐ取り組める工夫や行動を一緒に見つけることを重視します。
資格
所属
カウンセラーとしての理念
フルフィルメントとは
「フルフィルメント(fulfillment)」の言葉には、「達成感」「満足感」「充実感」の意味があります。また、それらには大きく二つの意味があります。一時的な達成感に加えて、今やっていることや達成したことに感じる深い満足感、より継続的・内面的な充実感を意味します。
「心理カウンセリングのフルフィルメント」という名称には、ただ問題を解決するだけでなく、一人ひとりが自分らしく生きながら心を満たし、人生に充足を得られるサポートを提供したいという想いを込めています。
ステートメント
心を育て、自分を磨き、未来を切り拓く
ミッション
詳細は以下をご覧下さい。
詳細はこちら:当カウンセリングルームの理念
カウンセラーとしての研鑽
カウンセリング業を始めて痛感したのは、スキルを学ぶだけでは十分ではないということです。
スキルには即効性があります。技術を学び、練習を積み重ねることで、「心が軽くなりました」と満足していただけるカウンセリングは、1、2年(500〜1,000時間)程度で提供できるようになります。
しかし、その先に進むためには、スキルだけでは到達できない領域があります。
理論は土台であり、地図でもあります。
地図があるからこそ、迷ったときに軌道修正ができます。理論を学んだからといって、すぐにカウンセリング能力が向上するわけではありません。しかし、長期的に成長し続けるためには、理論に裏付けられた視点が欠かせません。
例えば、私は家族療法・ブリーフセラピー・認知行動療法を中心に、さまざまな心理学的理論を学んでいます。これらは、クライエント一人ひとりの状況や課題に適したサポートを行うための重要な地図となっています。
具体的には、所属する学術団体のスーパーバイザー(経験・知識が豊富なカウンセラーで、他のカウンセラーを指導・支援する立場にある人)の指導を継続して受けています。スーパービジョンを通じて、自分のカウンセリングが適切であるか、より良いサポートができる方法は何かを常に振り返る機会を持っています。
また、学術団体主催の研修や講習にも定期的に参加し、新しい知見や技術を学び続けています。
これからも研鑽を積み重ね、一人ひとりのクライエントにとって、安心できる場と確かなサポートを提供し続けたいと思っています。
人生経験
私は民間企業勤務と個人事業の経験があります。会社員時代には、メンタル不調(うつ病と診断されました)を経験しました。しかし、その経験を活かしてカウンセラーになろうと考えたことは、一度もありません。
今も、私自身の経験をそのままクライエントに適用しようとは考えていません。なぜなら、私の経験はあくまで私個人のものであり、あなたの背景や状況とは異なるからです。安易に自分の経験を当てはめることは、時に有害になりかねません。
一方で、人生経験が役に立つ瞬間もあると感じています。
他者を理解するための物差しとして、自分自身の経験や価値観は欠かせない要素だからです。もちろん、人生経験がすべてに当てはまるわけではありませんが、役に立つか立たないかという白黒思考ではなく、自分自身の経験や価値観をツールの一つとして柔軟に活用することが大切だと考えています。
私は、自分の経験にとらわれず、あなた自身の物語に耳を傾け、共に考えていく姿勢を大切にしています。
私の物語
私は大阪府吹田市で生まれ、豊中市で育ちました。結婚を機に明石市へ移り、現在は再び豊中市で暮らしています。妻と3人の子どもがいます。
妻には多くの苦労をかけました。子どもたちが幼かった頃、私はうまくいかない人生にもがき、その影響が夫婦関係、さらには子どもたちにも及んでしまいました。今振り返ると、子どもたちの自尊心の成長にも影響を与えたのではないかと、痛恨の想いがあります。
そんな時、心理学との出会いが人生の方向を変える大きなきっかけになりました。自分自身の心と向き合い、少しずつ変わっていくことで、夫婦関係も改善され、今ではお互いを支え合える関係になりました。
子どもたちも成人し、それぞれの道を歩んでいます。彼らの成長を見守りながら、自分自身も成長を続けていきたいと感じています。
こうして振り返ってみると、私が夫婦カウンセリングに力を入れている理由は、自分自身の夫婦関係の経験にあるのかもしれません。この経験が、今、カウンセラーとしての私を支える大きな土台になっています。
出発点:過去の葛藤と仕事の失敗
20代、30代の頃、私は仕事がうまくいかず、苦しい日々を過ごしていました。
上司や取引先との関係を築けず、「どうして要望を受け入れてもらえないのだろう」「どうして約束を守ってもらえないのだろう」と悩むばかりでした。先輩がうまくやっている姿を見て、「なぜ自分はできないのだろう」と自己評価はどんどん下がっていきました。
さらに、「自分の問題は自分で解決しなければならない」「上司や先輩に頼ってはいけない」という思い込みが、自分をさらに追い詰めました。そうした日々の中で、ついにうつ病と診断されました。
診断された瞬間、苦しいと同時に「これほどまでに自分は追い詰められていたのか」と少しホッとする感情もありました。しかし、休職すると、今度は心も身体も動かなくなり、「逃げただけではないのか」という自責の念も抱えることになりました。
心理学の学びを深めるにつれて、「もし当時(うつ病と診断されて休職する前)に、今知っている知識や方法を身につけて実践できていたら」と感じることが増えました。そのたびに、当時の自分を振り返って忸怩たる思いを抱くこともありました。
ですが、今こうして思うのは、それも含めて自分の人生であり、それを受け止めることで前へ進めるということです。素直にそう思えるようになるには、それなりの時間がかかりました。けれども、あのときの苦しさや悔しさがあったからこそ、今の自分があると感じています。
原体験:子ども時代の家族関係
振り返ると、自分に自信を持てないという問題はもっと深いところに原因があったのだと思います。
子どもの頃、両親の関係が悪かった時期がありました。父親は暴力的な言葉で家族を支配しようとし、私に責任転嫁することがありました。「人のせいにするな」と思うだけで、怖くて言い返すことはできませんでした。そのたびに「母親はなぜかばってくれないのだろう」と孤独感を感じていました。
そんな家庭環境の中で、「さっさと離婚すれば良いのに」と子どもながらに思うこともありました。しかし、家族との関係が自分の自尊心に大きな影響を与えていたことに気づいたのは、ずっと後のことでした。
転機:心理学との出会いと気づき
仕事も家庭もうまくいかず、出口が見えない状況の中で、最初に出会ったのは「コーチング」でした。コーチングとは、目標達成や自己理解をサポートするコミュニケーションの「スキル(技術)」のことです(コーチング=相手の目標や課題を一緒に整理し、質問などを用いて行動や思考をサポートする)。
もがきながら解決の糸口を探していた私は、コーチングによって大きな助けを得ました。しかし同時に、私が学んだ機関に限った話かもしれませんが、コーチングはスキルに偏りがちで、迷ったときに立ち戻る「理論的な基盤」がやや弱いと感じました。実践的なのは魅力でしたが、それに加えて「自分がなぜそう感じるのか」「今なにが起きているのか」等々を深く考える枠組みがほしかったのです。
理論の深化を求めることによって、心理学やカウンセリングの道に進んだのは、振り返ると必然であり、正解でした。
先にも触れましたが、理論は土台であり、地図でもあります。理論に基づかない実践は、どうしても自己流になりがちで、ときには害になることもありえます。
一方で、学ぶこと自体におもしろさを感じています。学べば学ぶほど、心理学の広さと深さに圧倒されて、ときには先が見えない絶望感を覚えることもあります。しかし、その中でもワクワクする気持ちのほうが大きいです。
こうして心理学を学び始めると、次第に「進むべき方向」が見えてきて、少しずつ希望が湧いてくるようになりました。学びを進める中で、自分が妻や子どもたちに対して、父親が私にしていたのと同じような接し方をしていたことに気づきました。
同時に、父親自身も自信を持てず苦しんでいたのだろうと理解するようになりました。理不尽な扱いを受けたことに対する怒りや、父親が気づかないまま人生を終えたことへの哀れみ、そして少しの許しが生まれました。
こうした気づきは、理論に加えて、実際の生活の中で自分を見つめ直す経験によって得られました。心理学を学び始める前は、ただ苦しみから逃れたい気持ちでいっぱいでしたが、学んでいくうちに、父親の人生にも思いを馳せられる余裕ができたのだと思います。心理学とカウンセリングに舵を切ったことは、大きな転機となりました。
人生のテーマ:「自信」との出会い
心理学を学ぶ中で、私の人生のテーマが「自信」だと気づきました。認知行動療法を学ぶ過程で読んだ『自信をもてないあなたへ―自分でできる認知行動療法』は、まるで自分に向けて書かれているように感じました。
「自信」は広くて深いテーマであり、関連する概念として「自尊感情」「自己肯定感」「自己効力感」「レジリエンス」など、多くのことを学びました。それらの学びを通じて、これをライフワークとして取り組む価値があると確信しました。
参考ページ:自分に自信がない悩み
決意:カウンセラーという道
学びを深めていく中で、周囲から「あなたは向いている」と言われたことが、カウンセラーを職業として考えるきっかけになりました。
半信半疑ではありましたが、初めて無料で行ったカウンセリングで喜んでもらえた経験が、自信につながりました。その後、少額の費用をいただきながらカウンセリングを行い、さらに手応えを感じました。
カウンセリングを職業にしようと決めたとき、「やるからには覚悟を持とう」と決意し、それまで続けていた仕事をきっぱりと辞めました。それが今の私につながっています。
結び:現在と未来へのメッセージ
現在、私はカウンセラーとして、クライエントが自分自身の問題を解決する力を育てるサポートを行っています。
夫婦カウンセリングに力を入れているのは、良好な夫婦関係が家庭を「子どもにとっての安全基地」にし、その安全基地が子どもの自信を育てる基盤になると考えているからです。
私自身の経験を通じて、クライエントが「自分をアップデートし続ける」サポートをこれからも続けていきたいと思っています。