うつ病の治療

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)

うつ病の治療は、休養、薬物療法、心理療法の3つによって行われます。症状の程度や個人の状況に応じて組み合わせられます。

休養

うつ病治療の基本は十分な休養を取ることです。心身のエネルギーを回復させるため、仕事や学業を一時的に休むことも検討します。

休養といっても、何もしないことでいることが望ましい段階と、リラックスできる活動を少しずつ取り入れていくのが望ましい段階があります。また、何もしないことが休養になる人もいれば、まったく活動をしないことが、かえってストレスになる人もいます。

心理療法

カウンセラーとの対話を通じて、問題の整理や対処法を身につけていきます。心理療法には、思考と行動を柔軟にすることで解決を図る認知行動療法や、解決の試みがかえって問題を維持している悪循環を特定して、好循環に変えることで解決を図るブリーフセラピーなどがあります。

うつ病の重症度は軽い順に、軽症、中等症、重症と表現します。心理療法は軽症の場合に効果的です。中等症では薬物療法が主となり、心理療法が併用される場合もあります。重症では薬物療法が中心となります。カウンセラーとの対話はある程度の負荷が生じますので、重症度の高い状態では適しません。

当カウンセリングルームでは、認知行動療法とブリーフセラピーを折衷的に用いて、うつ病からの回復を支援しています。

薬物療法

抗うつ薬を用いて、脳内の化学物質のバランスを整えます。重症度が高い状態では、薬物療法が中心となります。効果が出るまで数週間かかることがあります。副作用には個人差があるため、医師と相談しながら最適な薬を見つけていきます。自己判断で服薬を中止したり、量を変更したりすることは危険です。

生活習慣の改善

  • 規則正しい生活リズムを整える。
  • バランスの取れた食事と適度な運動。
  • アルコールやカフェインの過剰摂取を控える。

光療法

  • 特に季節性うつ病に効果があるとされている。
  • 専用の光療法器を用いて、明るい光を浴びることで体内時計を調整する。

電気けいれん療法

  • 重症のうつ病で、他の治療法が効果を示さない場合に検討されるます。
  • 全身麻酔下で行われ、短期間で症状の改善が期待できる。

経頭蓋磁気刺激法(TMS)

  • 頭皮の上から磁気を与えて脳を刺激する治療法。
  • 薬物療法が効果を示さない場合などに検討される。

これらの治療法は、それぞれ単独で用いられるのではなく、症状や状況に応じて組み合わせて用いられます。例えば、軽度から中等度のうつ病では、休養とカウンセリング、生活習慣の改善を中心に治療を行い、必要に応じて薬物療法を併用します。

一人ひとりに合った治療法を見つけることが重要です。そのためには、医師や専門家とよく相談し、自分の状態や治療の進み具合を正直に伝えることが大切です。

また、治療には時間がかかることを理解し、焦らずに取り組むことが重要です。症状が良くなってきても、医師の指示なく治療を中断すると再発のリスクが高まるので注意が必要です。

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カウンセリングのご案内

料金・その他詳細

個人60分:8,000円
90分:12,000円
夫婦・カップル90分:12,000円
お支払い方法現金・クレジットカード・電子マネー
備考税込価格、延長料金等ナシ、面接報告書は有料にて

電子マネーは一部お取り扱いできないものがあります。詳しくは詳細ページでご確認下さい。

カウンセリングの流れ

お申し込みから終結・フォローアップまでの流れについて説明しています。完全予約制で対面とオンラインの両方に対応しています。事前の手続きをオンラインで行うことにより、面接時間はカウンセリングに集中できるようにしています。

カウンセラーのメッセージ

心はどこにあるのでしょうか。脳や心臓を指す人もいますが、「人間」という言葉が示すように、心は「人の間」、人間関係の中にも存在します。これは、私が依拠する家族療法の理論とも一致する考え方です。

人間関係は、心の傷の原因にも、そして癒しの源にもなります。多くの悩みは人間関係から生じますが、同時に、人間関係を通じて癒されます。例えば、上司の言葉に傷つき、同僚や友人に話を聞いてもらってリフレッシュする経験は、まさにこのことを示しています。

しかし、「日々の生活が息苦しい」「自分らしく生きるのが難しい」といった深い悩みや、家庭内トラウマのような心の傷には、単に話を聞いてもらうだけでは不十分な場合があります。専門的なサポートが必要となります。

同時に、安心・安全な場所(人間関係)も重要です。自由に話せ、否定されず受容され、無用なアドバイスをされない環境が、大きな悩みや深い心の傷の回復を可能にします。

私がライフワークとする自信も人間関係を通じて育まれます。自信には「自己効力感」(能力的な自信)と「自己肯定感」(存在や人格への肯定的評価)があります。特に自己肯定感の問題を解決するには、そのままの自分でOKという体験を積み重ねる必要があり、これは人間関係を通じてしか得られません。

私は、専門的なサポートと安心・安全の人間関係を提供することを通じて、あなたの心の健康に貢献します。

このページの執筆者
山崎 孝(公認心理師)

親バカのカウンセラー / 人に原因を求めるのではなく、人と人との相互作用の悪循環に求めます。人に優しいカウンセリングをモットーとしています。

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