自信の育て方と筋トレの関係

執筆者:公認心理師・山崎孝

筋トレ

自信を育てるにはトレーニングが必要です(トレーニングとは、「自分自身との関係を見直す」「他者との関係を見直す」「行動する」の3つですが、ここでは詳細は省きます)。誤った筋トレが故障の原因となるように、誤った自信のトレーニングが自信喪失を招くことがあります。筋トレに例えて、3つのポイントを紹介します。

適切な負荷

筋トレの効果が最も発揮されるのは、10回行うのが限界な程度の負荷をかけたときだそうです。

破壊された筋肉の繊維が回復することを超回復といいます。超回復が起きて筋肉が発達します。『破壊⇄超回復』を繰り返して筋肉が発達します。筋肉繊維が破壊される程度の負荷が必要で、負荷が小さすぎると筋肉は発達しません。

負荷が大きすぎると、故障の原因になることがあります。故障しなくても、大きすぎる負荷は継続をむずかしくします。継続するためにも、適切な不可であることが必要です。

自信を育てるトレーニングも同様です。負荷が小さすぎると自信は育ちません。負荷が大きすぎると継続がむずかしくなります。

栄養

ボディビルダーはトレーニングの後にプロテインを飲みます。筋肉が発達するにはタンパク質が必要だからです。タンパク質を補給することによって、筋トレの効果を最大限に発揮させます。

自信の栄養になるのは、自分自身の理解を深めることです。そうして、できることも、できないことも、良いことも、悪いことも、すべて認めることです。

「自分自身を認めると成長できないのではありませんか?」と質問されることがあります。その質問に対する答えは「ノー」です。むしろ逆です。

自分自身を認めている人は、失敗に対する耐性が高い傾向にあります。一つの失敗が全人格を規定するものではないと思っているからです。逆に自分自身を認められない人は、「一つの失敗=全人格がダメな証拠」のような感覚を持っています。失敗に対する耐性が低く、失敗に大きな恐れを感じています。

自信を育てるには行動が必要です。行動はいつも成功するわけではありません。失敗することもあります。失敗しても行動を続ける必要があります。失敗に対する耐性が低い人は、一つの失敗に打ちのめされて、次の行動へ向かいにくくなります。

失敗に対する耐性が高い人は、一つの失敗は一つの失敗にすぎない。全人格を規定するものではないという感覚を持っています。失敗しても、次の行動へ向かえます。そうして成功に近づきます。小さな成功の積み重ねが自信を育てます。

サポート

トレーニングを指導するトレーナーがいるように、自信を育てるトレーニングにおいても、トレーナーのような存在を持つことが好ましいです。

適切な負荷とはどの程度のことか。自分自身の理解を深めるにはどうするのか。それらをサポートするのが、カウンセラーやコーチです。

カウンセラーやコーチはその道のプロです。プロの知識やスキルを提供します。変な表現ですが、あなたのプロはあなたです。あなたについて教えて下さい。そうして、一緒に創り上げていきます。続けているうちに、「もう大丈夫です」というときが来ます。