「自信をつけたい」「性格を変えたい」という相談をよく受けます。
そのような相談を受けたとき、私はよく、次のような質問をします。
「自信がついた○○さんの行動は、自信がないとき、どのように変わっていますか?」
「○○さん(来談者さん)が望む性格に変わったとしましょう。どのようなことによって変わったと実感しますか?」
他人に頼まれるとノーと言えずに何でも引き受けてしまい、自分のことを後回しにして苦しくなる人なら、「都合が悪いときには、はっきりノーと言うこと」かもしれません。
部下や後輩に指示したり、他人に頼むことが苦手で、一人で抱え込んでしまう人なら、「まずは、抱えていることの一つを部下に振ること」かもしれません。
このように、具体的な行動に落とし込みます。そして、その行動を実行できるように、来談者さんとカウンセラーが一緒に取り組んでいきます。
目標を具体的な行動レベルに落とし込むと、できるようになりたいことは、一つではなく複数あることが多いです。それらをハードルの高さによって分類して、低いものから高いものへと取り組んでいくのが一般的です。
「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という言葉があります。それに倣うと、「自信があるからできるのではなく、できるから自信がつくのだ」となります。
このような取組のメリットの一つは、日々の課題に対処しながら自信を育てていけることです。また、課題を一つ一つクリアするという積み重ねによって、自信があるかないかの白黒思考ではなく、一歩一歩進んでいることを実感できることです。
以上、自信を育てるには、目標を具体的な行動レベルな落とし込んで、一つ一つクリアしていくというお話でした。
もちろん、この方法が唯一ものではありません。山の頂上へ至るルートがたくさんあるように、自信を育てる方法もたくさんあります。
また自信には、できる自信、あり方の自信、受け入れられる自信の3つがあるというのが自説です。それぞれ一人で取り組めること、人間関係において育つものがあります。詳しい内容は次の機会に紹介します。