5月17日(水)のホンマでっかTVに、師の一人として慕っている下園壮太先生が出演されました。テーマは「簡単にできるストレス解消を紹介」でした。下園先生の出番が少なかったのは残念ですが、番組はおもしろかったです。記憶に残っているものを紹介します。
下園先生の番組内での肩書きは「自衛隊メンタル評論家」。何か胡散臭いですね。自衛隊にて隊員と家族のメンタルヘルスを担う幹部として活躍されてきた方なのでそうなるのでしょう。
弱音を吐いた方がストレスに強くなる
ぐちぐち言うのは男らしくないなんて言いますが、弱音を吐いた方がストレスに強くなるとのことです。過酷な状況に置かれたとき、話をした方がストレスに強くなる傾向があると、自衛隊の研究でも明らかになったそうです。
女性のほうが男性よりストレス度が低い
アメリカでもヨーロッパでも、男性のほうがストレスをためやすく、女性のほうがストレス度が低いのは共通している。その違いを作るのは、体質・脳・ホルモンなどではなく、ただ、しゃべる量の違いであるというのが定説ということです。
一人でグチって発散するコツ
グチや弱音を吐くのがメンタルヘルスに良いとわかっても、やはり世間の価値感はグチや弱音を良しとしません。カウンセリングに行くほどもでもないし、でもスッキリしたいときは、一人で取り組める方法があります。
番組ではSNSを使う方法として紹介されましたが、SNSである必要はありません。ノートに書き殴ることでも同じ効果が得られるはずです。
1日15分を3日間。とにかく感情を吐き出します。きっちりした文章である必要はありません。むしろ行儀が悪い方がいいでしょう。汚い言葉でも大丈夫です。他人に見せるものではありませんから。最大限出し切ります。
最初は具合が悪くなることがありますが、そのうちイヤだったことの捉え方が見えてきたり、色々なことに気づくようになり、ストレス度が下がっていくとのことです。
思考を書き出すと、自分の思考を少し距離を置いて客観的に眺める視点を得られます。認知行動療法の技法には書く作業が伴うものが多くあります。距離を置いて眺めることで、いつもと異なる角度から見ることができ、色々な見方や可能性に気づきやすくなります。
「〜かもしれない」をたくさん考える
強い感情に乗っ取られているときは、「無視された。嫌われたに違いない」など一つの考えに縛られています。「考えごとをしていて気づかなかった」など、他の可能性を無視しています。
そのようなときには、「〜かもしれない」をたくさん考えるのが有効です。「考えごとをしていて気づかなかったのかもしれない」「周りがうるさくて聞こえなかったのかもしれない」「体調が悪くて余裕がなかったのかもしれない」等々。
認知行動療法のシナリオ法ですね。シナリオ法では、「最悪の場合」「最良の場合」「現実的には」など色々な可能性を検討します。そうして考えてみると、最悪のことは案外起きないもので、仮に起きても最悪というほどではないやん、ということもあります。
自衛隊員の問題は恐怖より自信を失うこと
ベトナム戦争では戦死者より自殺者のほうが多かったそうです。国のために戦ったのに、帰国すると反戦運動が盛り上がっている。自分が否定された気持ちになり、自尊感情が損なわれていく。この問題が大きかったそうです。
私が下園先生から学び、盗もうとしているのは、この「自信ケア」です。年内に「自信ケア」のワークショップを開催します。詳細が決定次第お知らせします。ぜひご参加下さい。
たくさんの対処法を持つことが大切
最近、同じことばかり発言している気がしますが、ストレスの対処は一つの方法に頼るのではなく、色々な方法を持つのが有効です。いつでもどこでも何か使えるものがあるというのが理想です。
そのためには、色々なことを試してみることです。下園先生風に言うと、訓練、トレーニングです。それぞれ簡単なことなので、興味があればお試し下さい。自分に合わなければ他を試せばいいだけです。いざという時に役立つのは、普段から使っているものです。