それも解決の努力

執筆者:公認心理師・山崎孝
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うまくいかないコミュニケーションは、解決の努力が実を結んでいないと捉えると見え方が変わることがあります。

例えば、次のような会話です。

妻「今日ね、幼稚園で○○○なことがあって、△△△やってん。それで・・・」

夫「そうか。なら、●●●して、▲▲▲してみたら」

妻「そうじゃなくて、ちゃんと聴いてよ」

夫「ん?だから、●●●して、▲▲▲したらええんとちゃう」

妻「あなたはいつもそう。私の話をまったく聴いてくれない!」

夫「いや、だから、●●●して、▲▲▲したらって言うてるやん!」

妻「違う!余計なこと言わずにとりあえず聴いてよ」

夫「だから聴いてるやん!」

妻「あなたはいつもそう!全然聴いてくれない」

夫「お前こそ!いっつも怒ってるし、うるさいねん」

話を聴かない夫とうるさい妻と捉えるのが一般的かもしれません。その枠組みで捉えると解決が遠くなりがちです。

妻も夫も解決しようと努力していています。妻はモヤモヤした感情を完了させて切り替えようと努力しています。そのため夫のサポートを望んでいます。夫は妻の問題の解決策を提示しようと努力しています。残念ながら2人の努力が噛み合っていません。

カウンセラーはどのように働きかければ噛み合うだろうなどと考えながらサポートします。2人とも良くしようと努力しているのです。