自分自身との関係性

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)

大阪で自己肯定感を育てるカウンセリングを承ってます。

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以下の記事、ずいぶん過激なタイトルですね。自己啓発系セミナーにハマった経験がある私には、共感できる部分がありました。

仕事のできない人は不穏なセミナーにハマる 明確な出口戦略がなければ利用されるだけだ | 東洋経済オンライン

しかし、こうしたセミナー・勉強会に期待・依存しすぎるのもおススメできません。妙なセミナーに引っかかって洗脳されてしまったり、本来は「稼ぐ」のが目的であるはずの資格取得そのものが参加・継続の目的になってしまったりして、かえってマイナスになることもあるからです。

無条件に受容してくれる人たち

ああいうところに参加する人って、基本みんないい人たちです。偏ってる人もいますが、根はいい人たちです。向上心があり、人の良いところを見出そうとしてくれます。

当時の私。人生を好転させようともがいてました。ことごとく空回りしてました。自己評価は最低。自己肯定感?何それ?という感じ。自信のかけらもありませんでした。

そんな私でも、セミナー仲間はポジティブな目で見てくれます。プラス面を見出してほめてくれます。素の私を受け入れてくれます。傷ついた心が満たされる場所でした。

長くいると、スタッフとして運営側に回ることもあります。スタッフをやると、新しい受講生から一目置かれることがあります。彼より先に参加しただけなんですけどね。

自分自身を承認できないのは苦しいものです。そんな自分でも、セミナーに行けばみんなが承認してくれます。一目置いてくれる人さえいます。なくてはならない場所になります。

目的と手段

セミナーは、目標を達成する手段を得るための場です。それが、いつしか自尊心を満たしてくれる場になり、そこにいること自体が目的になってました。

離れるときは恐かったです。よりどころを失うような感覚でした。手段が目的に変わってたことに気づいたのは、離れてしばらくたった頃でした。

ちなみに、そのセミナーは何十万円もする高額なものではありません。一見あやしい感じがする場でしたが、教わる内容は良かったです。誤解がないように付け加えておきます。

依存に陥らないためには

セミナーに行かなくても、「自信を持つための5つの方法」のような情報がネットにたくさんあります。書かれていることのほとんどが正しいものです。

しかし、それらを読んで、できる人とできない人がいます。そもそも、それらを読んだだけで即実践できる人は、もともと自信がある人なんだろうと思います。

違いはどこにあるのか?

自分自信との関係性です。

それらを読んで即実践できる人は、以下のような自己認識を持っています。

「欠点もたくさんあるし、失敗もたくさんしてきたけど、
それでも今の自分は(まあまあ、概ね)OK」

「もっとよくなりたいし、よくなろうとしているけど、
現時点の自分は(まあまあ、概ね)OK」

できない人は、以下のような自己認識を持っています。

「自分はダメだ」

「今の自分に価値はない」

「自分自身との関係性が良い人=良い自己認識を持ってる人」は、参加者からの承認に頼る必要がありません。セミナー依存に陥りにくくなります。

「自分自身との関係性が悪い人=悪い自己認識を持ってる人」は、参加者からの承認に頼ってしまいます。セミナー依存に陥りやすくなります。

自分にOKを出せれば人は変われる

自分を否定している間は、人は変わることができません。ありのままの自分を受け入れられるようになって、初めて変わることができます。

「自分にOKを出したら成長しないでしょ」という誤解があります。あくまで誤解です。例をあげてみます。

「自分はダメだ」という自己認識を持つ人には、以下のようなことが起こります。

  1. ミスをした
  2. 「自分はダメだ」が活性化されて辛くなる
  3. そんな思いをしたくないから再チャレンジしない
  4. チャレンジしないからできるようにならない
  5. 成長しない

「自分は概ねOK」という自己認識を持つ人には、以下のようなことが起こります。

  1. ミスをした
  2. このミスが自分の人格・能力を決めるわけじゃない
  3. 再チャレンジする
  4. チャレンジするうちにできるようになる
  5. 成長する

簡略化してますが、何となくでも感じはつかめると思います。

「自分に自信がない」という相談で来られた方には、まず「自分自身との関係性」から取り組むことが多いです。興味がある方はお試し下さいませ。