モデリング(観察学習)

観察コラム
観察

心理学における学習とは以下のように定義されます。

経験によって生じる比較的永続的な行動の変化

経験とは、練習や体験など実際に身体を動かすことだけではなく、他人の行動を観察することも含まれます。

観察するだけで成立する学習

身体を動かす体験をしなくても、モデルとなる人の行動の観察によって成立する学習があります。これをモデリング(観察学習)と言います。

モデリングが起こるメカニズムは十分に解明されていませんが、ミラーニューロンの働きによって、観察者の脳は自分が行動しているのと同じように反応するという説が有力です。

筋肉を使う随意行動に成立しやすい学習です。インプットが多いほどモデリングが促進されます。また、集中して観察するほど促進されます。

観察によって強化される

行動によって良いことが起こるとその行動は強化されますが、それを観察している人にも強化が起こります。これを代理強化と言います。

モデリングの理論が注目されるようになったのは、提唱者であるバンデュ−ラが行った人間の攻撃行動に関する実験によってです。

大人が人形に乱暴を働き攻撃するシーンを子どもに観察させます。攻撃した後には3つのパターンがあります。1)報酬を得る、2)罰を受ける、3)強化を受けない。報酬を得たシーンを見た子どもの攻撃行動は増大しました。

ただし、攻撃的なシーンが原因で攻撃性が高まるのか、攻撃的な人が好んで攻撃的なシーンを見るのか、両方なのか、因果関係は特定されてません。

人間以外の生物にも起こる

モデリングは人間に限ったことではありません。

一匹の猿が食べものを水で洗うようになると、他の猿も真似します。温泉に入る猿も、元は一匹の猿が始めたことでしょう。

他の生物にも起こるということは、学習効果が強力ということです。社会的スキルの学習を支援するソーシャル・スキル・トレーニング(SST)などにモデリングが用いられています。

強豪校が毎年強い理由

うちの子が通う中学の吹奏楽部は毎年優秀な成績を残しています。公立校なのでスカウトなどありません。なのに毎年安定して優秀な理由の一つは、当たり前のレベルが高いからだと思います。

多くの新入部員は楽器未経験です。しかし、目の前の先輩たちは全国レベルの練習をしています。自然と質の高い行動がモデリングされます。

先輩たちは、当たり前のように全国大会出場を目指しています。出場もしています。先輩とはいえ同じ中学生。特別な人たちではありません。自分たちもできる!と感じるのは当然でしょう。

「全国へ行くぞ!」と口にしても、心の中に「実際は無理やろな〜」という感覚がある人と、「行くに決まってるでしょ!」という感覚でいる人とは、同じ練習をしていても違いが出るはずです。

行動だけではなくメンタルもモデリングされているのだろうと思います。このようにして、強豪校の強さが受け継がれていくのだと思います。

わが子が所属する吹奏楽部を自慢したいだけのエントリーで失礼しました。

タイトルとURLをコピーしました