自信を育てる目標設定

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)
その先に的の中心がある目標

目標達成は当然うれしいし、自分に自信をつけてくれます。

一方、年始に目標を立ててみるものの、達成できたためしがない。達成以前に、3ヶ月もしたら、目標を忘れてしまっている。失望の繰り返し。自信が失われていく。いつしか目標を立てなくなった。

恥ずかしながら、私は長い間、後者でした。

正しい目標設定を知ってからは、良い方向に進んでいます。

小平奈緒さんの目標と目的

昨年、引退された小平奈緒さん。彼女のインタビューやTwitterを見ていると、一言ひとことを自分の内側に響かせて、しっくりきた言葉を口にされているように感じます。しなやかな強さを持つ人は誰ですかと問われたら、真っ先にあげるのが小平奈緒さんです。

引退会見でのコメントは、目標と目的の違いを説明するお手本のような話でした。

「目標に順位や記録というものがあったとは思うけれど、それは手段にすぎなかったと思います。目的には必ず唯一無二の自己表現というものがあったように感じています。それは自分の生きる軸として、どっしりと自分の中にあるもの、揺るがないものとしてある。その表現はスピードスケートを通しては全うできたのではないかと思っています」

小平奈緒さん引退会見「毎朝ほっぺたをつねって」「30数秒間に無限の学び」…一問一答 : スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20221027-OHT1T51242.html?page=1 令和5年1月2日(月)閲覧

メダルや順位や記録は手段。目的は唯一無二の自己表現。スケートも手段だったと取れます。

目標とは、目的とは

目標と目的について整理します。

目的は成し遂げたいこと。その理由や意義。質的なもの。企業であれば経営理念など。

目標は目的を達成するまでの途中の目印・標(しるべ)。順位や記録など量的なもの。数値で表現できる。企業であれば売上目標など。目標の最終地点がゴール。

具体例として、マラソン完走を目指してランニングを始めた人がいるとします。

目的は人によって様々です。「仕事以外で何かを達成したい」かもしれません。「(この年になっても)向上できることを証明する」かもしれません。「家族に挑戦し続ける姿を見せたい」かもしれません。「健康でアクティブな老後生活」かもしれません。

ゴール(目的を達成した目印となる地点)は42.195km完走です。多くの場合、いきなりゴールには到達しないでしょう。普段身体を動かしていない人なら、まずは3ヶ月後に10km走れる、が目標になるかもしれません。

目標とは途中の目印・標(しるべ)です。

本当に大切なのは軸かもしれない

小平さんが言う、「それは自分の生きる軸として、どっしりと自分の中にあるもの、揺るがないものとしてある」は、自分のあり方・生き方なのだろうと思います。

うろ覚えですが、「世界一の選手を目指しているが、世界一になったと実感することはないだろう」という意味のことを大谷翔平選手がおっしゃっていたと思います。これも、自分のあり方・生き方をあらわしていると思います。

目標は目的に適っていること。目的は自分が望むあり方・生き方に適っていること。あり方・生き方から考えていくことが、達成する目標設定につながると思います。