生物心理社会モデル

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)

生物心理社会モデルとは、エンゲルという精神科医が提案したモデルです。来談された方の悩みや問題を3つの要素で捉えます。3つの要素とは、身体面(身体的な疾病や障害の有無など)、心理面(認知傾向など)、社会面(職場や人間関係などの環境)です。

過去、医療の領域では病気に対して、身体的な要因のみを考慮して治療が行われていました。しかし、生活習慣病、痛みのケア、ストレスによる病気など問題が多様化して、身体的な要因のみを考慮する考え方では対処できなくなってきました。そのような背景から考えられたモデルです。

支援を必要とする人を生物心理社会モデルで捉えることによって、医療(身体面)・心理療法(心理面)・ソーシャルサポート(社会面)の3つの連携が可能になります。多業種連携による支援が現在の考え方です。

悩みや問題の多くは、複数の要因が相互に作用することで生じます。最初は一つの側面に限られていた問題が、徐々に他の側面に影響を及ぼしていくものです。

サポートする立場としては、自分の能力と限界を客観的に把握しておくこと、多業種とのネットワークを育てることにより、必要なタイミングで必要な連携を行えるように備えておくことが求められています。