【子育て・自己肯定感】プロフェッショナルの「プロ」は、プロセスの「プロ」でもある

執筆者:公認心理師・山崎孝

このエントリーは夫婦カウンセリングによる投稿です。

下記の引用は、故野村克也さんの明言です。

プロフェッショナルの「プロ」は、プロセスの「プロ」でもある

二桁勝利投手や三割打者などの「有形の力」ではなく、努力やその過程など大切な「無形の力」をいつ認識するかが、「プロ」として歩む本当の道につながる。

野村克也(2018)野村の流儀 ぴあ

プロである以上「結果」が重要なのは言うまでもありません。しかし、「結果」を導くのは「プロセス」です。「プロセス」をより大切しなさい。そのような意味でしょう。

「結果」は自分でコントロールできない部分が大いにあります。練習など「プロセス」は概ね自分でコントロールできます。できる人って、コントロールできないことに振り回されずに、コントロールできることに集中しますね。

子どもの教育も「プロセス」を大切にしたいです。学校の成績でもスポーツでも、結果が良ければ取り組み(プロセス)をほめる。悪ければ取り組みのどこを改善すれば良いのか考えさせる。もしくは一緒に考える。そのようにありたいと思います。

「結果」より「プロセス」を評価する方が、自尊感情(自己肯定感)が健やかに育ちます。

「結果」に焦点を当てすぎると、「結果が出た自分はOK」であり、「結果が出ない自分はNO」となります。条件付きでしか自分を認められなくなり、自分に自信を持てない状態になりやすいです。

「プロセス」とは、大げさに言うと「(人としての)あり方」です。「あり方」を見てくれるとは、自分自身という存在を見てくれることです。「見る=認める」です。良くない「プロセス」を叱るにしても、存在を認めているという前提があります。

「よく叱られたけど、あの先生にはとても感謝している」

そんな風に回想される先生は、きっと「プロセス」を大切にしていたのだろうと思います。「ちゃんと見て(認めて)くれていた」という実感が、そのような回想になるのでしょう。

個人的な感覚では、うまくいかないときは、プロセスがおかしくなっていることが多いです。新型コロナの影響もあり難しい状況が続いていますが、丁寧にプロセスを積み重ねて乗り切ろうと思っています。