吹奏楽部定期演奏会(卒業公演)を控えて

執筆者:公認心理師・山崎孝

大活躍の今年度

去る1月26日(土)、大阪桐蔭高校の卒業式でした。末っ子が卒業しました。

今年度の大阪桐蔭高校Ⅲ類は大活躍でした。2度目の春夏連覇を果たした硬式野球部に、初の日本一を成し遂げたラグビー部などなど。

たくさんのメディアが吹奏楽部も取り上げてくれました。他のクラブの大活躍によるところが大きいと思います。感謝の一言です。

野球部、春夏連覇おめでとう!

特に甲子園応援演奏での露出が大きかったのは間違いありません。Twitterのタイムラインには連日、大阪桐蔭の応援演奏すごい!というツイートが流れてきました。毎日タイムラインを見るのが楽しみでした。

息子の在学中には、現阪神タイガースの藤浪君、現西武ライオンズの森君を擁して、1回目の春夏連覇を達成しました。その頃の私は仕事や生活に追われていて、他クラブの応援に行く余裕がありませんでした。もったいないことをしました。

その後悔もあり、今年度は春も夏も甲子園に行きました。

夏の決勝戦、甲子園は異様な空気でした。ご存じの通りワンサイドゲームとなり、中盤で勝負ありという展開でした。

すると、3塁側アプルス席(大阪桐蔭の応援席)を除く球場全体が、金足農業の応援団と化しました。周りは全部敵状態です。夜、帰宅した娘に聞くと、一言「怖かった」。6回以降、得点が止まったのは、あの応援の影響が大きかったのかもしれません。

それでも、柿木投手は崩れることなく、しっかり投げ抜いてくれました。

アルプススタンドへの挨拶の際、主将の中川君が泣き崩れる姿にもらい泣きしました。

進化し続ける吹奏楽部

決勝戦の直後の演奏会は中学生との合同演奏会。盛り上がらないわけがありません。新聞も取り上げてくれました。

その5日後には、全国大会出場をかけた関西吹奏楽コンクール。5日後に大事な大会を控えているのであれば、コンクールメンバーは学校で練習、メンバー以外は甲子園という選択をする学校もあると思います。しかし、大阪桐蔭吹奏楽部は常に全員参加です。

全国大会は銀賞でした。現在の大阪桐蔭吹奏楽部にとっては、吹奏楽コンクールは大事なイベントではあるけれど、最優先ではなさそうです。創部間もない頃とは異なり、今や賞の色は大きな意味を持たないと思います。

最近では、ミュージカルや甲子園応援演奏に憧れて入部する子が増えているそうです。コンクールを目指すのではなく、「音」を「楽」しむ最高の環境を求めて入部する生徒が増えているようです。

一週間後に行われた日本管楽合奏コンテスト。現在の大阪桐蔭吹奏楽部が、その魅力を存分に発揮できる舞台は、コンクールではなく管楽合奏コンテストですね。後日DVDで見たのですが、現地へ行かなかったことを後悔しました。鑑賞された方のブログを読んで、さらに後悔の念が深く。。。

第24回 日本管楽合奏コンテスト 高等学校B部門 – 2018年度大会

演目はコンクール自由曲と同じ「魔法使いの弟子」です。曲は全く同じですが、それを150人規模で演奏しながらパフォーマンスでストーリーを展開し、さらにマーチング的な動きも入れるという、1週間前と同じ曲を演奏しているとは思えない見事なパフォーミングアートとして披露したのでした。

日本管楽合奏コンテスト・高校Bの部! | 地球の旅人

その中で,飛び抜けて別格の表現力だったのは「大阪桐蔭高校」だった。あの人数なのに,それぞれの楽器が聴こえてきて驚くばかりの表現の多彩さ,気持ち良さを感じた。ファゴットやハープの小さな音も生かされていた。

こんなに絶賛してもらえるなんて、自分のことのようにうれしいです。

ラグビー部、初優勝おめでとう!

残る大きなイベントは、卒業式と定期演奏会だけになってしまったなあと思っていた年末、息子の代からお世話になっている父兄がラグビー部の応援に行くと聞きました。毎年行ってるみたいです。私も行きましたよ。準決勝と決勝。

初優勝おめでとう。感動しました。

しびれる決勝戦でした。

前半終了前に気持ち良く?走られて逆転されたときには、後半もあんな風に走られるのでは、と不安でした。しかし、後半はしっかり対応。フォワードの力強さは頼もしかったです。

勝利をつかむタックルを決めた高本君。去年、あのような物語があったのですね。

スポーツとアスリートは偉大です。たくさんの人の心をあっという間に一つにしてくれます。野球部とラグビー部の応援を通じて、久しぶりに心が震える体験をしました。

卒業おめでとう!

そして、卒業式。

当たり前なのに何となくピンと来ないのは、野球部員もラグビー部員もわが子と同じ高校生であることです。グラウンド立つ彼らのオーラを感じると、違う世界の人のように感じます。

娘のクラスは漫画みたいなクラスでした。野球部主将の中川君、藤原君、柿木君、ラグビー部主将の松山君、高本君がクラスメート。担任は野球部の西谷監督。漫画でも「その設定はできすぎちゃう?」となりそうなキャスト。

卒業式が終わると各クラスに戻ります。保護者も教室に入れてもらって、西谷先生から一人一人卒業証書の授与。グラウンドの彼らにはオーラがありますが、教室での彼らは普通の高校生でした。

吹奏楽以外の様子がまったく見えなかった娘の高校生活でしたが、最後にクラスの様子を見ることができました。人間関係に恵まれたようで、とてもありがたく思います。

吹奏楽部員にとっては、2月17日(日)の定期演奏会が卒業公演であり、卒部の日です。わが家にとっては、わが子3人の吹奏楽生活の一区切りとなる日です。

中学の卒業式に大阪桐蔭の制服を着て出席した、入学前から大阪桐蔭LoveLoveの娘。その高校生活も、いよいよラストステージです。