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危機を機会に

心が締め付けられるような、医師と男の子のやりとりでした。

子どもの心のSOS

12月6日(火)放映のNHKのクローズアップ現代。タイトルは「きこえますか? 子どもの心のSOS コロナ禍のメンタルヘルス」でした。

泣くのを堪えているような男の子の声に、心が締め付けられました。

コロナ禍3年目。家庭や学校から、子どもたちの異変に心配する声が相次いでいます。しかし、子どもの心を診る児童精神科は全国的に不足しています。そのルポルタージュです。

コロナのせいで起きた問題ではない

番組のゲストは子どもの心の問題を専門家で、毎年全国70校以上の学校に足を運んでいる方でした。現状をどのように捉えているかの質問に、以下のように答えられました。

まずこれは、急に起きた問題というより、元々あった不登校や自殺の増加といった問題が、コロナ禍でより悪化したというような感じでいます。あと、やはり3年間に及ぶ長期的なスパンなので、そこでふんばりが利かなくなってきたのかなという感じがしています。

上記番組Webサイトより(太字は当サイト執筆者による)

加えて、修学旅行・文化祭・体育祭・部活動などがなくなり、自分らしさを発揮する場を失ったなど、複合的なものであるとの見解を語られていました。

元々あった問題がコロナ禍で顕在化したということですね。「コロナ離婚と同じやなあ」と思いました。

家族療法とは

少々脱線しますが、家族療法について簡単に説明します。お付き合い下さい。

家族療法では、家族・夫婦などの人間集団をシステムとして捉えます。問題や症状は、システムの成員同士の相互作用が問題を維持するシステムになっていると考えます。問題を維持する相互作用を問題を解決する相互作用に変える支援を行います。

例えば、子どもの不登校は、対立している夫婦を協力に向かわせて、離婚を防いでいる、と考えることができます。夫婦の関係が良くなれば不登校の役目は終わり、解決に向かうと仮説を立てて支援することが考えられます。

システムとは、互いに影響を与え合っている複数人の集まりです。夫婦、友人関係、職場、組織、地域もシステムです。それらの中でも家族は結びつきが強く、支援する機会が多いことから、家族療法と呼ばれるようになりました。

悩みのほとんどは人間関係です。家族療法は適用範囲が広いカウンセリング手法です。「問題がある人はいない。問題を作るシステムがある」というスタンスが個人的に大いに気に入っています。

視野を広げてみると

コロナ禍で起きた問題も、家族療法の見方を用いると視野が広がるかもしれません。子どもの不登校の場合、例えば、このような見方ができるかもしれません。

両親は共働きで日々忙しく、親子の時間が限られている。幸い、子どもは学校生活が充実している。友人にも恵まれている。好きなサッカーに熱中している。家庭内のマイナスを家庭外のプラスが補っていたが、コロナ禍でプラスが激減した。

子どもの心が弱いとか、時間を作らない親が悪いとか、悪者探しは何の役にも立ちません。子どもは親の状況を理解しているでしょうし、親は家庭のために一生懸命働いています。みんながんばっているのです。そのがんばりは承認されるべきで、批判すべきものではありません。

この場合、親子の時間を増やすのではなく、質を変える対処が考えられます。一緒に過ごす時間が短くても、心を通い合わせて、しっかりと絆を築いている家庭はたくさんあるはずです。

コロナ禍の危機をチャンスに変える

「危機」とは、危険(クライシス)の「危」と機会(チャンス)の「機」からなる言葉です。どちらにもなり得るのなら、機会(チャンス)となる考え方と行動を選択したいものです。

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