こころの不調

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)
心の病のイメージ

不安とは、わからないものに対する感情です。わからないものの正体がわかると、不安のサイズが小さくなるものです。このページでは主に、心の病として知られているものを中心に紹介します。今後もコンテンツを増やしていきますので、折に触れてアクセスしていただければ幸いです。

当カウンセリングルームは、自分に自信を持てない悩みの支援に力を入れています。そのため、「自信」との関連が大きいものから取り上げています。他のホームページと傾向が異なるかもしれません。

うつ病・抑うつ状態

抑うつ状態のイメージ
興味や楽しみを感じなくなり、憂鬱な気分が続く

うつ病は、心と身体に影響を与える心の病気です。長期間続く強い落ち込みや、今まで楽しめていたことへの興味や喜びの喪失が主な特徴です。

心の症状としては、悲しみや空虚感、絶望感が続いたり、自分を責めたり、集中力が低下したりします。死について考えることもあります。

身体の症状では、疲れやすさや体のだるさ、睡眠の問題(眠れない、または逆に眠りすぎる)がよく見られます。食欲の変化や体重の増減、頭痛や胃腸の不調なども起こりやすくなります。

これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたす場合は、うつ病の可能性があります。詳しくは以下のページをご覧下さい。

適応障害

適応障害のイメージ
生活場の大きな変化や出来事への対応がうまくいかなったときに起こる

適応障害は、大きな生活の変化やストレスの多い出来事に対して、上手く対処できなくなる心の不調です。特徴は、ストレスとなる出来事や状況の深刻さに比べて、心理的な苦痛や反応が不釣り合いに強かったり、長く続きすぎたりすることです。

心の症状としては、不安や落ち込み、イライラ、集中力の低下などが現れます。人によっては、仕事や学校、日常生活に支障をきたすこともあります。

身体の症状では、頭痛、胃腸の不調、疲れやすさ、不眠などが見られることがあります。また、食欲の変化や身体の緊張感を感じる人もいます。

適応障害は一時的な状態で、多くの場合、ストレスの原因がなくなるか、対処できるようになると改善します。しかし、症状が強い場合や長引く場合は、専門家のサポートを受けることで、より早く回復できる可能性があります。

社交不安症(社交不安障害)

人前での強い不安と緊張のイメージ

社交不安症の人は、人前に出たり、他者から注目されたりする状況で強い不安や恐れを感じます。主な特徴は、他者から否定的に評価されることへの過度な恐れです。この恐れは、実際の状況や危険性に比べて不釣り合いに強く、長期間持続します。

人前で話すことや、見知らぬ人と会うこと、注目を集めることへの強い不安があります。また、恥ずかしい思いをしたり、馬鹿にされたりすることを極端に恐れます。不安や恐怖から、動悸、発汗、手の震え、顔の紅潮、吐き気などがあらわれることがあります。これらの症状が、さらに不安を強める要因にもなります。

社交不安症は、仕事、学校、日常生活における人間関係に大きな支障をきたすことがあります。しかし、カウンセリングや必要に応じて薬物療法を受けることで、多くの人が改善しています。

回避性パーソナリティ障害

回避性パーソナリティ障害の人は、他者との関わりを極端に恐れ、回避する傾向が持続的に見られます。

主な特徴は、他人からの批判や拒絶を強く恐れること、自分に自信が持てないことです。この状態の人は、自分を社会的に不適切だと感じたり、能力が劣っていると思い込んだりしがちです。

新しい人間関係や活動を避ける傾向があり、親しい関係を築くことに不安を感じます。また、自分の考えや気持ちを表現するのが苦手で、人との交流で極端に控えめになることがあります。

この障害は日常生活に影響を与えることがありますが、適切な支援によって改善が期待できます。

人と関わることに強い恐れを感じる、失敗や批判を極度に怖れる
人と関わること・失敗や批判に強い恐れを感じる

カウンセラーのメッセージ

心はどこにあるのでしょうか。脳や心臓を指す人もいますが、「人間」という言葉が示すように、心は「人の間」、人間関係の中にも存在します。これは、私が依拠する家族療法の理論とも一致する考え方です。

人間関係は、心の傷の原因にも、そして癒しの源にもなります。多くの悩みは人間関係から生じますが、同時に、人間関係を通じて癒されます。例えば、上司の言葉に傷つき、同僚や友人に話を聞いてもらってリフレッシュする経験は、まさにこのことを示しています。

しかし、「日々の生活が息苦しい」「自分らしく生きるのが難しい」といった深い悩みや、家庭内トラウマのような心の傷には、単に話を聞いてもらうだけでは不十分な場合があります。専門的なサポートが必要となります。

同時に、安心・安全な場所(人間関係)も重要です。自由に話せ、否定されず受容され、無用なアドバイスをされない環境が、大きな悩みや深い心の傷の回復を可能にします。

私がライフワークとする自信も人間関係を通じて育まれます。自信には「自己効力感」(能力的な自信)と「自己肯定感」(存在や人格への肯定的評価)があります。特に自己肯定感の問題を解決するには、そのままの自分でOKという体験を積み重ねる必要があり、これは人間関係を通じてしか得られません。

私は、専門的なサポートと安心・安全の人間関係を提供することを通じて、あなたの心の健康に貢献します。

このページの執筆者
山崎 孝(公認心理師)

親バカのカウンセラー / 人に原因を求めるのではなく、人と人との相互作用の悪循環に求めます。人に優しいカウンセリングをモットーとしています。

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