三角関係は夫婦・家庭の危機のサイン

執筆者:公認心理師・山崎孝

家族のライフステージが変わるときに、夫婦の危機が起きやすいという話を書いたことがあります。それに関連する話題です。

家族や夫婦の危機のサインは、三角関係となって現れることが多いようです。三角関係とは、二者間に軋轢が生じたとき、一方が第三者を味方につけるなどしてつくる、2対1の関係です。例えば、夫婦で対立が生じたときに、妻が子どもに密着するパターンです。

妻は意図して子どもを味方につけているのではなく、自覚がなく結果としてそうなっているケースが多く見受けられます。子どもに夫の愚痴をもらすなど直接的に働きかけることもあれば、子どもの習いごとに過剰に力を注いで夫と距離を取るパターンもあります。

妻と子が密着すると、夫が孤立します。夫は孤立を埋めるために、仕事に没頭するなどします。そうしてこのような状態が硬直化します。没頭する対象は仕事以外に、趣味や浮気などがあります。

夫婦の三角関係は実家の親などを巻き込んで、連結して広がっていくこともしばしばです。

ライフステージが変わることは、夫婦それぞれの役割または役割の質が変わり、変化が求められることを意味します。三角関係は、その変化に適応できていないサインである可能性があります。