ストレスに強い体質づくり

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)

リラクセーション

ストレスとは、心や身体に負荷がかかって歪んている状態のことを言います。

ストレスという用語は、もともと物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。

ストレス軽減ノウハウ:2 ストレスとは|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(うつ病・自殺対策を含む)|厚生労働省より引用

ストレス状態=緊張状態

ストレスを感じると、心と身体は刺激に耐えようとします。力が入って緊張した状態になります。ストレスを感じていないとき、心と身体はリラックスしてゆるんでいます。

「ストレス状態=緊張状態」です。

慢性的にストレスを感じている人は、糸がピンと張っているような状態です。ストレスを受け止めたり受け流したりする余裕がありません。

ピンと張った糸がゆるめば、すなわち緊張が緩和されれば、刺激を感じても受け止められる余地が大きくなります。ストレス耐性が向上した状態です。

ストレス耐性を向上させるために取り組みたいのは、「生活習慣の改善」と「リラクセーション」です。カウンセラーなどに頼らず自分でできます。メンタルヘルスで言うセルフケアです。

寝る前にスマホ・PC・テレビを見ない

生活習慣とは「食事」「運動」「飲酒」「喫煙」「休養」の5つのことです。個人的な話で恐縮ですが、ここでは、スマホ中毒気味な私自身に言い聞かせるために書きます。

夜になるとメラトニンというホルモンが分泌されます。メラトニンは眠りを誘い、寝ている間に疲れを取り、細胞の新陳代謝を促すなどしてくれています。朝、光を浴びるとメラトニンの分泌が止まり、身体が活動的になります。

寝る前にスマホ・PC・テレビの光を浴びるのは、メラトニンの分泌を妨げることになります。寝つきが悪くなり、睡眠の質が悪くなり、不眠の原因にもなります。夜、寝ながらスマホを見るのは、睡眠にとって最悪と言えそうです。

寝る2時間前にはスマホ・PC・テレビを見ないのが理想とされています。2時間は中々むずかしいかもしれませんが、30分でも良いので心がけなさい、私。

参照ページ:体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン | 体内時計.jp

リラクセーション

またもや個人的な話で恐縮ですが、最近、鍼灸に通っています。身体が緩んでリラックスすると、うじうじ悩んでいたことがどうでもよくなったりして、心と身体はつながっていると改めて実感します。

腹式呼吸

緊張しているときは、交感神経優位で呼吸は浅く速くなっています。リラックスしているときは、副交感神経優位で呼吸は深くゆったりしています。

腹式呼吸で深くゆったりした呼吸を行うと、心と身体をリラックス状態に導くことができます。

要領としては、「鼻から吸う」→「少し止める」→「口からゆっくりと吐く」→「少し止める」→「繰り返し」です。

吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにお腹がへこむのを意識します。おへその下あたりに手を当てると意識しやすいと思います。

気持ちがゆったりするのは息を吐くときです。副交感神経が刺激されてリラックス状態に導かれます。吸うより吐くことを意識します。吐くときに頭の中で、「リラックス、リラックス」などと唱えるのも有効です。

毎日5分から10分程度行うと効果的です。

漸進的筋弛緩法

むずかしそうな名称ですが、やることは簡単です。力を入れて、力を抜くだけです。筋肉の緊張と弛緩を繰り返し行うことによって身体のリラックスを導く方法です。

慢性的にストレスを感じている人は、常に緊張状態で身体に力が入ってます。力を抜いてリラックスして下さいと言っても、力を抜く感覚がわからないことがあります。

このような要領で行います。肩をグッと思いっきり上げて、力を抜きます。すると力が抜けて緩んだ状態を感じることができます。これを体の各パーツごとに行います。

手順をわかりやすく説明しているリーフレットが大阪府のホームページよりダウンロードできます。後ほど紹介します。

自律訓練法

リラクセーション法として良く紹介されるのが自律訓練法です。催眠状態では心と身体がリラックスすることがわかっています。自律訓練法は自己催眠の一種です。

検索するとたくさんの情報が出てきますが、最初は専門家の指導を受けるのが好ましいです。後ほど紹介するリーフレットに簡便法が紹介されています。

落ち着ける時間に落ち着ける場所で

リラクセーションは、雑念が起こりにくい時間と場所で行うことが好ましいです。その日にやることのほとんどを片づけた状態で、他者から干渉を受けない場所で行うのが好ましいです。

寝る前に寝室で行う。寝床の中で行う。そのまま寝てしまうくらいでOKです。

わかりやすく手順を紹介しているリーフレットのダウンロード

大阪府のホームページより、呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法の手順がわかりやすく紹介されているリーフレットがダウンロードできます。

relax

以下のページより「気軽にリラックス」というリーフレットをダウンロードして下さい
>>大阪府/刊行物・リーフレット

継続して「リラックス貯金」する

慢性的に糸が張った緊張状態を、糸が緩んで余裕のある状態にすることが目的です。早稲田大学教授の熊野宏昭先生は「リラックスを貯金する」とおっしゃいます。リラックスを貯金するとストレスへの抵抗力が高まり、ストレス耐性が向上すると言うことです。

リラックスを貯金するためには日々継続することが必要です。強い緊張を感じたときだけ行うのではなく、毎日の習慣にすることです。

よくばってすべてをやろうしないです。無理してたくさんやろうとして、それがストレスになっては元も子もありません。まず一つ始めることです。そして毎日継続することです。

ぜひ、日々の生活に取り入れて下さい。