執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)
個人情報の保護について
心理カウンセリングのフルフィルメントは、来談者様(以下クライアント)にとって安心・安全な環境で、より効果的なカウンセリング・コーチングが行われるために、以下の内容をご理解いただき、同意を得た上で実施いたします。
秘密保持義務(守秘義務)
カウンセリングの内容等の個人情報は保護されます。クライアントの同意なく第三者(配偶者・パートナー・家族・親族等を含む)に開示されることはありません。ただし、クライアントまたはクライアントに関わる人の身体・生命・財産の危機が迫っていると判断される場合、法令上の必要等がある場合は、適切な人や機関に個人情報を開示することがあります。
- クライアント本人の危機の例:自殺を実行する危険性が高いとき
- クライアントに関わる人の危機の例:DVや虐待被害者の安全確保が急がれるとき
ご家族であっても秘密保持義務が優先されます。クライアントの同意を得ていない状態で、ご家族から「うちの妻(夫・子ども等)は何を話していましたか」などのお問い合わせを受けても、お越しになったことも含めて一切お話しません。
【参考】公認心理師法
(秘密保持義務)
・公認心理師法(◆平成27年09月16日法律第68号)
第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。
【参考】家族心理士・家族心理士補・家族相談士倫理綱領
<秘密保持>
家族心理士・家族心理士補・家族相談士倫理綱領
第3条
家族相談士は、専門職として知り得た秘密の保持には、細心の注意を払わなければならない。その公表に当たっては:(a)家族の生命の危機などが明らかで、緊急の事態にあると判断される時、(b)法律上の要請がある時以外は、必ず家族の同意を得なければならない。
秘密保持義務の例外
守秘義務の例外について、緊急事態である場合は例外である旨を説明しました。それも含めて改めて説明します。
危機が切迫している場合
クライアントもしくはクライアントに関わる方の身体・生命に差し迫った危機がある場合は、秘密保持義務より安全確保を優先します。
- 自殺を実行する恐れがあるとき。
- 虐待が疑われるとき。
- 配偶者の暴力で負傷していると認められるとき。
- 他者に危害を加える行為が現実的に起こりうると判断されるとき。
- その他。
スーパービジョンや研究活動
セッションの内容を個人を特定できないように加工(匿名・居住地や職業を伏せる)して、スーパービジョン(カウンセラー・コーチがスーパーバイザー(指導者)に指導を受けること)にて使用することがあります。また事例検討会などの研究活動に使用することがあります。目的はカウンセラー・コーチの資質向上です。より効果的なセッションを提供するためです。
録音と録画
カウンセラー・コーチの資質向上のために、セッションの録音・録画の許可をお願いすることがあります。録音・録画はクライアントの同意を得られた場合のみ行います。無断で行うことはありません。
クライアントが録音・録画を希望される場合は、カウンセラー・コーチの同意を得て行って下さい。録音・録画される際は、カウンセラー・コーチにも録音・録画を許可して下さい。
クライエント自身が開示を許可したとき
家族や夫婦のカウンセリングなどで、あからじめ情報を共有する範囲をクライエントに確認して、許可を得る場合があります。実際には、秘密保持義務や安全確保を理解されている方が多く、ご家族から開示を求められるケースはほとんどありません。
その他
不慮の事故
クライアントが不慮の事故に遭われた場合も、事前に書面による同意がない限りは、ご遺族にカウンセリングの内容を開示することはありません。
記録の保管
管理する個人情報は、最終面接日から5年を過ぎた時点で破棄します。