あるブログより
父は前科持ち。母はパチンコ依存症。その両親も中学生になる頃に離婚。妹は失踪。そのような家庭に育ち、高校中退後に非正規を転々として、本人曰く「惨めで無意味な人生」。さらに、交通事故で障害を負いました。
そんな彼が今は、「生きていてそこそこ幸せだ」「障害者になって、俺は救われた」と言います。
転機は交通事故でした。
リハビリを通じて理学療法士さんとの関わりができました。努力してほめられる体験をしました。同じ病室の入院患者さんと会話するようになりました。退院後は、役所の福祉課やソーシャルワーカーさんが親身にお世話してくれました。
彼は気づきました。
『自分にとっての不幸は金や彼女が無いことではなく、人と関わることを無闇に恐れていたことだったのだと気づけた』
人を通して自分を知る
無人島で一人で生活していたら、「自分はどのような人なのだろう?」と考えることも、感じることもないでしょう。人との関わりが自分を相対的に見る視点を作り、人との関わりを通して自分自身の理解を深めます。
夢や目標も人との関わりが育てます。同じ方向を向いている人、共感し合える人と語り合うと、夢や目標の解像度が上がり、よりリアルになります。心で語られる夢や目標は、社会や他者の価値観に基づくものではなく、自分の価値観に基づくものです。
人との関わりはスキル
2年前の娘の卒業式のことでした。クラスメートの一人の男子生徒に目を奪われました。男女の区別なく人懐っこくて、ベタベタではなく爽やかで、父兄にも同じあり方で、多くの父兄から親しみを込めてファーストネームで呼ばれていました。
彼はどのような家庭で育ったのだろうと強い興味がわきましたが、卒業式の場で面識のないご両親に、そのようなことを聞く勇気はありませんでした。
人との関わりを最初に学ぶのは家庭です。次は学校でしょうか。クラスメートの彼の家庭は「自分もOK、相手もOK」という環境なのだろうと推測しています。そのような環境でコミュニケーション力が育まれたのでしょう。
人との関わり、コミュニケーションはスキルです。適切なサポートと練習によって身につけられます。適切なサポートと練習の機会を提供するのもカウンセリングの役割です。興味がある方は、一度お試し下さい。