大学入試共通テストの鼻マスク問題。TwitterなどのSNSで、追加情報が出てくるたびに風が変わる様子が興味深かったです。
その男性は、鼻をマスクで覆うようにと6回注意されたけれど、聞き入れずに繰り返したため失格となりました。
情報が流れるたびに変わる空気
この情報を受けてSNS上では、「ルールを守らないのはけしからん」と批判する声と、「メガネだと曇るし」「言葉を発しないから飛沫は飛ばない」と擁護する声がありました。
男性の年齢が49才という情報が流れました。ネガティブな声が多くなりました。一方で、家庭の都合で大学進学を断念して、社会に出たのちに社会人学生として学んだ経験をお持ちの方の「偏見を持たないで」という声もありました。
脇道にそれますが、家庭の事情などで、自分のためにがんばることを許されない状況にいる人がいます。その結果、望む学歴や仕事を得られない人がいます。そのような人にも自己責任を強いるのは、行き過ぎた自己責任論だと思います。
話を戻します。その男性が失格後にトイレに立て篭もったという情報が流れました。一気にネガティブな空気に覆われた感じになりました。
ジェンダーバイアスに気づかされた研修
先日、夫婦・カップルカウンセリングの研修に参加しました。研修の中でこのようなワークがありました。
以下の架空の事例を提示されました。
- 相談者:夫婦お二人で来談
- 相談内容:配偶者の不倫
- 不倫した側が語ったこと
- 不倫相手に気持ちはない
- 配偶者に申し訳ないと思っている
- 子どものためにやり直したい
最初に受けた指示は、「不倫した夫が上記の内容を語りました。それを聞いてあなたが感じたことを書きなさい」でした。
次に受けた指示は、「不倫した妻が上記の内容を語りました。それを聞いてあなたが感じたことを書きなさい」でした。
不倫を容認する人はいませんが、夫の場合の厳しさと、妻の場合の厳しさには、差がある人が多かった印象です。どちらにもまったく同じ感情を抱いた人は少なかったと思います。自覚しているか否かはともかく、多く人がジェンダーバイアスを持っているだろうと感じました。
自分のバイアスに気づいておくことが大切
このワークの目的は、自分のバイアス(思考の偏り)に気づいておきなさいということです。
バイアスは思考や判断を歪めることがあります。しかし、人はバイアスから逃れられないでしょう。自分には、どのようなバイアスがあり、どのようなときにどのように歪みやすいのか。常に意識しておきなさいという戒めでした。