来月よりカウンセリングルームを移転します。同じ大阪ですが、淀屋橋になります。
場所は淀屋橋駅から徒歩3分、北浜駅から徒歩5分。梅田や難波から約10分。立地は迷いました。決め手の一つは、地下鉄御堂筋線、地下鉄堺筋線、京阪本線の3線からアクセスできることでした。
残念ながら、100点満点と思える物件には巡り会いませんでした。まあ、この先ずっとそこにいるわけではありません。成長とともに、より良いスペースを求めてさらに移転するはずです。
先日電車内で、ぼんやりと契約までの過程を振り返ってました。そのときふと、「あっ、これって、あれかも」と思うことがありました。
なんじゃそれー?
いくつか検討して、迷って、決めました。優先したのは価格。後日変更することになりますが、最初は価格で決めました。
決めたら契約です。契約書をめくりながら規約の説明を受けて、サインする直前に初期費用の説明を受けました。初期費用の内訳は、保証金、オフィスセットアップ費、看板作成費、その他でした。「オフィスセットアップ費?なんじゃそれー?」と軽く思いながらもスルーしてサイン。
そこまで想起したとき、「あっ、これって、あれかも」と思いました。
セールスマンのカモ
投稿タイトル「セールスマンのカモ」は、名著「影響力の武器」からの引用です。オフィスビルの営業マンにネガティブな感情を持っているわけではありませんので念のため。
初回の商談を終えた後、彼は私のホームページを見たそうです。そして、過去を思い出して30分ほど固まっていたそうです。後日他の部屋を見るために伺ったとき、タクシーの中で自己開示されました。それが決め手になったかもしれません。
社会心理学者ロバート・チャルディーニは、自称「セールスマンのカモ」だそうです。「絶対に買わないぞ!」と心に決めても、セールスを受けると買ってしまうそうです。
暗闇で「カチッ」と電気をつけると、「サー」っと虫が群がります。
セールスマンがあるスイッチを「カチッ」と押すと、「サー」っと買ってしまうような法則があるのではないか、との仮説を検証してまとめたのが「影響力の武器」です。カウンセラーよりコンサルタントに読まれているかもしれません。おもしろいです。オススメです。
コミットメントと一貫性
コミットメントとは、「立場を明確にする、公言する」という意味です。
私たちは、言葉と行動が一致している人、一貫性のある人に信頼性を感じます。逆に、言行不一致は信頼されないことが多いです。一貫性を保つのは良いことだという価値観がしみついてます。圧力を受けることもあります。
山崎さんが車を買うことにしました。価格をリサーチすると、近くのディーラーにて以下の価格で販売されてました。
A店:100万円
B店:103万円
安さが一番!の山崎さんは、A店へ足を運びました。
営業マンの見た目は清潔で、物腰も柔らかく好印象でした。説明はよどみなく、質問には明確な回答が返ってきました。その営業マンがすっかり気に入った山崎さんは即決しました。「君から買うよ」と言いました。
契約書にサインするとき、営業マンは言いました。
「申し訳ございません。実は見積価格にフロアーマットとシートカバーが含まれていませんでした。それらを含めると105万円になります」
山崎さんは「えっ」と思いましたが、今からB店に行くのは面倒だし、彼から買うと決めたので105万円で買いました。
これがコミットメントと一貫性の法則です。一旦購入するとコミットすると、買わないという選択を難しくします。買わないという選択肢がないかのように行動します。一貫性を保つ圧力がかかっているかのように。
オフィスビルの営業マンも、私がコミットしてサインする直前に初期費用(オフィスセットアップ費)の話をしました。彼が意識しているのかどうかわかりませんが、そのように進める教育を受けていると思います。
今回の場合は、最初に説明を受けても契約しました。他に満足できる物件を見つけられませんでしたし、費用は大きな金額じゃないので(大きな金額ではないのがミソでもありますが)。
ちょっと悔しかったのは、商談中に「コミットメントと一貫性」に気づかなかったことです。もし気づいたら、営業マンに突っ込みを入れて、少々ばつが悪い気分にさせて(意地悪!)、私はより良い気分で契約したと思います。
「カチッ」「サー」の法則
「影響力の武器」には、「コミットメントと一貫性」の他、以下の法則が紹介されています。
- 返報性
- 社会的証明
- 好意
- 権威
- 希少性
検索すれば書評や解説がたくさんヒットするので説明は省きます。というか、興味のある方は是非読んでみて下さい。心理学やセールステクニックに興味のある方なら、おもしろいこと間違いなしです。
移転後もよろしくお願いいたします
昨日、広い部屋に変更してもらいました。「できるだけ安く」を優先して決めたはいいものの、決めた後に「あっちにすればよかったかも・・・」とウジウジ考えてました。そんな時ある人より、「自分が良い気持ちでいられることを優先した方がいいよ」との助言が。それから数日後に変更を決めました。
移転する最も大きな理由は、カウンセリングを希望される方が増えて、現状のままでは対応できなくなってきたからです。
現在、共有スペースを借りています。他社と共有しているため、私が独占して使用することはできません。そのため、予約をいただいても断らざるを得ない機会が増えてきました。心苦しさが重なり移転を決めました。
立地は迷いました。現在、堺筋本町と梅田の2カ所で行っています。当初、梅田のほうが需要が多いだろうと予想してました。ところが堺筋本町の需要もしっかりあります。どちらのニーズも満たせるのはどこだろうと考えたとき、淀屋橋・北浜になりました。
坂筋本町・梅田の他に、時にはなんば・心斎橋・自宅訪問・等々、移動しながらカウンセリングを行ってきました。移動時間も積み重なると結構なものになります。これからは一カ所に腰を落ち着けて、より多くの時間をカウンセリングに費やしたいと考えています。
今後ともご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。