自分に自信がある人の行動や仕草を思い浮かべると、どのような姿が浮かぶでしょう。
私が思い浮かべるのは、少し笑みをたたえた表情で、力がいい具合に抜けていて、背筋が伸びて胸を張り、正面を見据えている感じです。猫背で顔がうつむき加減の真逆な姿勢と表情です。
マニュアルで本質を学ぶ
仕事など何かを学ぶとき、マニュアルを活用することが多いと思います。
マニュアル人間という言葉はネガティブな意味で使われます。誤解してはいけないのは、マニュアルが悪いのではなく、機械的にマニュアルをなぞるだけの人が悪いのです。
マニュアルは有効です。マニュアルは哲学や理論を整理したものだからです。マニュアルを用いる目的は、マニュアルの実践を通じて、根底にある哲学や理論を学び、自分のものにするためです。
ファストフード店員のほとんどがマニュアル的ですが、概ねうまく機能しています。基本的にマニュアルは有効です。もちろん、感じのいい店員と、そうでない店員がいます。ただマニュアルをなぞるだけの店員と、哲学を理解している店員の違いでしょう。
マニュアルで型を学びます。ファストフード店のマニュアルを見た経験がないので想像でしかありませんが、接客における挨拶の仕方など型から入るはずです。型を日々の実践して、その意味を学んでいくのだろうと思います。
自分に自信がない人も型から入ろう
当カウンセリングルームで多い相談は「自分に自信がない」です。そのような人にも、型から入ることをおすすめしています。
検索すると、『自分に自信をつけるための7つの方法』のような情報がヒットします。書いていることに間違いはないと思います。しかし、あのような記事を読んで自信がついた人は少ないと思います。だからこそ、同じような情報が次から次へとアップされるのでしょう。
セルフ認知療法の書籍も同じだと思います。考え方って、そんなに簡単に変わるものではありません。変えるには行動が必須です。カウンセリングでは、その人にフィットする具体的な行動を一緒に考えて、実験(実践)を重ねます。
ここでは、そのようなことはできませんので、一般的な話をさせていただきます。
私のおすすめは挨拶です。具体的には「笑顔」です。挨拶するときは、一瞬でもいいので口角を上げて笑顔を作りましょう。カウンセラーの中には毎朝、鏡を見て表情を練習する人がいます。簡単なことですが、それくらいの重要度があります。
自信は人間関係を通じて育ち、損なわれもします。人間関係の第一歩は挨拶です。気持ちいい挨拶をして、気持ちいい挨拶が返ってくる。それを繰り返すと自信が育つ土台となるはずです。
元気に挨拶することはむずかしいかもしれません。それなら、一瞬の笑顔だけでも。心を込めなくても構いません。型だけでOKです。いずれ心がついてきます。笑顔で挨拶しても、適当な挨拶を返す人もいるでしょう。そんな人は放っておきましょう。あなたの人生に大した影響はありません。
考え方を変えるだけ自信が育つわけではありません。そもそも、考え方は簡単には変わりません。型から入りましょう。心は後からついてきます。お試し下さい。