自分で行うメンタルヘルスチェック

執筆者:山崎 孝(公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士)

日本においては、自殺者のうち3割近くを労働者が占めます。また、自殺直前に大半の例で精神健康面に問題があったと指摘されています。そのため、特に労働者向けのメンタルヘルス対策が進んでいます。

メンタルヘルス不調にならないための取組に焦点

予防医学は、一次予防二次予防三次予防の三段階に分けられます。メンタルヘルスも同じように考えるのが一般的です。

  • 一次予防:メンタル不調を発生させない
  • 二次予防:早期発見・早期治療
  • 三次予防:回復・機能維持・再発防止

以前のメンタルヘルスは、二次予防、三次予防に主眼を置いていました。現在では、一次予防に主眼が置かれるようになっています。

セルフケア

一次予防では、労働者自身によるセルフケアが重要となります。具体的には、労働者自身がストレスや心の健康についての理解を進めること、自らストレスの予防・軽減・対処を行うことです。

中央労働災害防止協会(中災防)では、ホームーページ上でストレスや疲労度を簡単に診断できるツールを公開しています。誰でも無料で利用できます。

中央労働災害防止協会(中災防)

中央労働災害防止協会(中災防)は、労働災害防止団体法に基づき設立された厚生労働省が所管する特別民間法人です。事業主などが行う自主的な労働災害防止活動の促進を通じて、安全衛生の向上を図り、労働災害を絶滅することを目的としています。

中央労働災害防止協会

中災防のホームページ上で利用できるセルフチェックのサービスを紹介します。

労働者の疲労蓄積度チェックリスト

疲労の蓄積度をチェックするためのものです。

労働者自身が自己診断するための「労働者用」と労働者の家族が判断するための「家族用」の二種類があります。ホームページ上での診断に加えてチェックシートをダウンロード(PDFファイル)することができます。

労働者の疲労蓄積度チェックリスト

中災防:Wedでチェック 労働者の疲労蓄積度 過重労働対策

職業性ストレス簡易評価ページ

職場でどの程度ストレスを受けているのか、ストレスによってどの程度心身の状態に影響が出ているのかを評価するためのものです。「仕事のストレス」「最近1ヶ月のストレス」の2つがあります。

職業性ストレス簡易評価ページ

中災防:Wedでチェック 職業性ストレス簡易評価 過重労働対策

必要に応じて専門家に相談して下さい

紹介したサービスの結果はあくまで目安・参考です。不安をお持ちの方は、医師やカウンセラーなどの専門家に相談して下さい。