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不倫・浮気からの修復

修復コラム

不倫・浮気は、夫婦のカウンセリングで多い相談の一つです。

離婚を決断したけど、それでよかったのだろうかと迷いや葛藤から抜け出せずに来談されるケース。不倫・浮気『した側』が離婚を主張して、『された側』が修復を希望するような、普通逆でしょと思うケース。などなど。

他にも色々なケースがありますが、修復を決断した夫婦に起こることを紹介します。

双方が修復で一致すれば一件落着!とはなりません。修復への道のりがスタートしたに過ぎません。脅かすつもりはありませんが、修復への道のりは苦悩が伴います。

『された側』も『した側』も傷つき疲れ果てる

『された側』の反応でよく見られることの一つは、『した側』に同じことを何度も繰り返し聞くことです。いつ、どこで、何をしていたのか等を問い詰めます。毎日長時間に渡って行われることもあります。

『した側』は、なぜ何度も同じことを繰り返し聞くのか理解できません。以下のように思います。

  • 「心から申し訳ないと思っている。悔いている」
  • 「しかし、してしまった事実は変えられない」
  • 「修復すると決めたからには前を向いてがんばりたい」
  • 「終わったことを蒸し返すことに意味を感じない」

『した側』が心から反省していても、そう思うのはやむを得ないのかもしれません。しかし、その気持ちを態度に示すことは、『された側』にとって誠意を欠く行為です。そのような言葉が引き金になって、明け方まで言い争いが続くこともめずらしくありません。

そのようなことが繰り返されて、お互いに傷つき疲れ果てて、カウンセリングにお越しになるケースも多いです。

『された側』の苦しみを理解するには、トラウマの理解が役に立つ

仕事で大きなミスをして落ち込んだ。他人からひどいことを言われて傷ついた。そのようなことが起きたとき、「終わったことだから切り替えよう」と言われても、簡単に切り替えられないこともあります。ショックが大きいほど引きずります。

トラウマとは

トラウマとは、それらの何百倍・何千倍も大きなショックによる苦しみ、と考えて下さい。「○○がトラウマで〜」と話せるようなことはトラウマではありません。『された側』の苦しみを理解するには、(本当の)トラウマの理解が役立ちます。

トラウマによる心の病は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)として知られています。その定義を紹介します。

生死にかかわるような実際の危険にあったり、死傷の現場を目撃したりするなどの体験によって強い恐怖を感じ、それが記憶に残ってこころの傷(トラウマ)となり、何度も思い出されて当時と同じような恐怖を感じ続けるという病気です。

PTSD|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

米国精神医学会診断統計マニュアル第5版(DSM-5)の基準によれば、PTSD(心的外傷後ストレス障害Post-Traumatic Stress Disorder)とは、実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことをさします。

PTSD とは | 日本トラウマティック・ストレス学会

修復に向かうに当たって、『された側』の傷つきのレベルは、それほどのものと考えるのが良いと思います。

トラウマの症状

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を知ると、『された側』の言動を理解しやすくなると思います。主な症状は以下の4つです。

侵入症状

つらい記憶や感情が突然よみがえる。悪夢見る。フラッシュバックが起こる。

回避症状

つらい記憶を思い出させるような人物、事物、状況や会話を回避する。

否定的な考えや気分

感情を麻痺させることによって苦痛を避けようとする。やさしさや愛情などプラスの感情も感じられなくなる。

過覚醒

常に神経が張り詰めている。怒りっぽくなる。イライラしやすい。集中できない。いつも警戒している。

穏やかに会話していても、急に様子や態度が変わったりすることがあります。ふいに、もしくは何かのきっかけで思い出したのかもしれません。侵入症状によるものかもしれません。

不倫・浮気を思い出させるような場所や物事を避けるようになります。回避症状と考えられます。あえてそのような場所に行って、プラスの思い出で上書きするんだ、とおっしゃる方もいました。

私たちは苦しみなど苦痛な感情を避けるために、感情を麻痺させることがあります。自分を守ろうとする心の営みですが、家族や友人への愛情などプラスの感情も麻痺させてしまいます。

これまで安全と思っていた世界が危険なものに変わりました。常に危機に備えて緊張します。ちょっとしたことに過敏に反応します。眠れなくなります。眠れなくなると更に過敏になります。

修復は気持ちの理解から

『された側』にとって、安全な日常が危険な日常に変わりました。以前の日常が頑丈な橋なら、現在の日常は今にも落ちそうな吊り橋です。一歩一歩安全確認が必要です。何度も同じことを聞くのは安全確認の一つです。

また、これまでの人生や自分に対する認識が一変します。

  • 女性(または男性)としての価値がないと感じる。
  • 人として存在する価値を感じられなくなる。
  • 一緒に過ごしてきた人生が無意味なものに感じる。
  • 将来を考えると絶望しかない。
  • その他。

『した側』に求められるのは、単に「申し訳なかった」と謝罪することではありません。浮気されたことがパートナーにとってどのような意味があるのか、どのような気持ちにさせられているのか。それらを理解することからです。

夫婦カウンセリングで行うこと

カウンセリングでは、『された側』が気持ちを言語化するサポートを行います。混乱しているとき、気持ちを言語化するのはむずかしいものです。「初めて気持ちを言葉にできました」とおっしゃる方は少なくありません。

それは、『した側』がパートナーの気持ちの理解を深めるサポートにもなります。また、『した側』の気持ちを言語化するサポートも行います。心から反省して償う努力を重ねていても、その気持ちが相手に伝わらない苦しさを抱えていることが多いからです。

夫婦に血のつながりはありません。情緒的な絆でつながっています。修復を目指すカウンセリングでは、情緒的な絆に焦点を当ててサポートを行います。

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