番組は忘れましたが、明石家さんまさんの「笑いは勢いや」の言葉が印象に残っています。
自分に自信がない人の多くは、コミュニケーションが苦手です。コミュニケーションにおける悩みを聞くと、「盛り上がる話題を提供できない」とおっしゃいます。「話すとシーンとなる」ともおっしゃいます。沈黙は恐いですよね。話すのが恐くなるのもわかります。
たくさんの知識を身につけることによって解決しようとする人がいます。興味深い話題を提供することによって、場を盛り上げようと考えます。でも、大変ですよね。もっと難易度の低い方法があります。
メラビアンの法則をご存じでしょうか。話し手が聴き手に与える影響力の研究から導かれた法則のことです。
人は、言語情報(言葉)・聴覚情報(声の大きさ・トーンなど)・視覚情報(身振り手振り・態度など)の3つでコミュニケーションを行っています。聴き手に与える影響力の大きい順に並べると、以下のようになります。
- 視覚情報:55%
- 聴覚情報:38%
- 言語情報:7%
非言語情報の影響力が90%以上で、言語情報の影響力はわずかです。
但し、この法則が成り立つのは、3つの要素がそれぞれ矛盾するメッセージを送っているときです。例えば、悲しげな表情をして、通常の声のトーンで、楽しい話題を話すと、「彼は(彼女は)悲しいんだ」と受け取られやすいということです。
お笑い芸人さんの言葉を文字に起こすと、確かにおもしろいのですが、すべてが大笑いするほどおもしろいわけではありません。突っ込むタイミング、表情と声の勢いで笑わせています。言語情報を視覚情報と聴覚情報で増幅していると言えます。だから、「笑いは勢い」なのでしょう。
私たちの日常会話でも同じことが言えます。
「ねえ、聞いて!昨日初めて行った○○で食べたパスタ、とってもおいしかったの♪」
「どんなパスタ!?」「その店はどこにあるの!?」と盛り上がりそうです。
こんなパターンもありえます。
「昨日ね…○○に初めて行ったんだけど…そこのパスタ…とても、おいしかったの…」
「…そうなの…良かったね」と話が終わってしまいそうです。
会話に少しの「勢い」を取り入れてみましょう。「勢い」がむずかしければ、声(聴覚情報)と表情(視覚情報)を、楽しい内容(言語情報)に一致させることを心がけてみましょう。
たくさんの知識を仕入れるより、難易度は低いはずです。