ストレスコーピングとは
ストレスを感じたとき、ストレスの原因を解決しようと試みたり、考え方を変えてみたり、気晴らしなどの行動を起こしたりします。これをストレスコーピングと言います。カラオケやスポーツで発散したり、友人に愚痴を聞いてもらうことも、ストレスコーピングの一つです。
ストレスコーピングは、効果の高いものを一つ持つより、バリエーションを増やす方がより有効です。
スポーツは効果の高いストレスコーピングですが、オフィスでやるわけにはいきません。スポーツほどの効果がなくても、のびや深呼吸ならオフィスでも手軽に行うことができます。
ストレスコーピングの種類
私たちがストレッサー(ストレスの原因)に直面したとき、その質や大きさによって、それに応じたストレスコーピング(ストレス対処行動)を選択します。ストレスコーピングは以下の種類に分けることができます。
- 問題焦点型
- 情動焦点型
- 認知的再評価型
- 社会的支援型
- 気晴らし型
- リラクセーション
問題焦点型コーピング
自分の経験や能力による努力、他者に協力を得るなどの方法による対処です。仕事の担当を変えてもらうこともこれにあたります。その状況から逃げることもこの種のものでしょう(根本的な解決に至るかどうかは別にして)。
情動焦点型コーピング
悲しみ、苦しみ、怒り、不満などの感情を友人などに聞いてもらい、気持ちを整理するなどの対処です。逆に、感情を心の中に閉じ込めることもこれにあたります。うつ病になりやすい人の特徴に、感情の表現が苦手、思っていることをなかなか口に出せない、などがあります。過度に感情を抑えることはおすすめできません。
社会的支援型コーピング
上司・同僚・家族・友人などに相談したり、アドバイスを求めたりする対処法です。問題焦点型コーピングにつながる場合と、情動焦点型コーピングにつながる場合とがあります。
気晴らし型コーピング
カラオケ・スポーツ・趣味・レジャーなどによるストレス解消法です。
リラクセーション
感情の高ぶりが大きいときに有効なのはリラクセーションです。身体の緊張を和らげると、感情の高ぶりが弱まります。リラクセーションを日常生活に取り入れて習慣化すると、日常の緊張度が下がりストレス耐性が向上します。腹式呼吸は簡単に取り入れることができます。強力におすすめします。
呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、ヨガ、瞑想、体操などのリラクセーション法があります。
数と日常的な取組で勝負
問題解決の可能性があるときには問題焦点型コーピングを選択し、問題解決の可能性がない、または非常に低い場合には、情動焦点型コーピングを選択する傾向があるようです。
冒頭でも触れたように、ストレスコーピングは、効果の高いものを一つ持つより、バリエーションを増やす方がより有効です。
スポーツやカラオケは効果の高いストレスコーピングですが、仕事中に行うわけにはいきません。時と場所を選びます。腹式呼吸や漸進的筋弛緩法(力を入れて抜くことを繰り返すことによって身体の緊張をほぐすリラクセーション)なら仕事中でもできます。
大阪府のホームページに、呼吸法と漸進的筋弛緩法のやり方を記したPDFファイルがありますので紹介しておきます。⇒ 呼吸法・漸進的筋弛緩法 – 大阪府
意識しない間にストレスをためているものです。呼吸法や漸進的筋弛緩法などのリラクセーションを日常的に行っていると、日常のストレスレベルが下がることを期待できます。日常のストレスレベルが下がるとストレス耐性が向上します。
知識として持っているだけでは、いざというときに使えないものです。特にリラクセーションは練習が必要です。練習を重ねるとリラックス度が高くなります。日常的に行っていると、いざというとき、身体が自然に動きやすくなります。