ストレスと上手く付き合う(ストレスコーピング)

執筆者:公認心理師・山崎孝

ストレスと上手く付き合うための方法、ストレス対処法のことを、ストレスコーピングといいます。一つの方法だけに頼るのではなく、複数の方法を持つことで、対処力が向上します。

ストレスコーピングとは

ストレスは必ずしも悪いわけではありません。適度なストレスは、私たちを動機づけ、新たな取り組みに向けたエネルギーを与えてくれます。一方、過度なストレスは心身の健康を害する可能性があります。

ストレスと上手く付き合うための方法、ストレス対処法のことを、ストレスコーピングといいます。

ストレスコーピングには、ストレスの原因を直接解決する問題焦点型コーピングと、ストレスによって引き起こされる感情をコントロールする情動焦点型コーピングがあります。

ストレスコーピングは一つの対処法に頼るのではなく、複数の対処法を持つことが望ましいです。一つの手段しかなければ、それを使えない状況では手詰まりになるからです。

ストレスコーピングの種類

ストレスコーピングには大きく分けて、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングの二つがあります。

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングは、ストレスの原因となっている問題を直接解決することに焦点を当てる方法です。例のいくつかをあげます。

  • 時間管理
  • アサーティブコミュニケーション
  • 問題解決のための情報収集・計画立案・解決スキル習得
  • 専門家の助けを求める
  • 環境調整

問題を根本から解決し、将来的に同様のストレスが発生するのを防ぐことを目指します。

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングは、ストレスによって引き起こされる感情をコントロールし、和らげることに焦点を当てます。この方法は、特に問題を直接解決することが難しい場合や、短期的にストレスを軽減したいときに有効です。

  • 気晴らし型コーピング:趣味や散歩など、別の活動に集中することで一時的にストレスから離れます。
  • リラクゼーション型コーピング:深呼吸や瞑想、ヨガなどを行い、心身をリラックスさせます。
  • 社会支援型コーピング:友人や家族からの支援を求め、感情を共有することでストレスを軽減します。
  • 認知再評価型コーピング:ストレスの原因となる状況に対する見方を変えることで、感じ方を改善します。

カウンセリングもストレスコーピングの方法の一つです。問題焦点型コーピング、情動焦点型コーピングの両方の機能を持ちます。

参考文献