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結婚前(プレマリッジ)カウンセリング

結婚前(プレマリッジ)カウンセリングとは、文字通り結婚前のカップルを対象としたカウンセリングです。当カウンセリングルームでは、家族療法に基づいた結婚前(プレマリッジ)カウンセリングを行っています。

日本ではまだ一般的ではありませんが、徐々に増えているようです。価値観・ライフスタイルの変化・多様化によって、夫婦・カップル関係を構築する難易度が高くなっているのかもしれません。

結婚前のカップルに限らず、結婚数年の夫婦、短い交際期間で結婚した夫婦、コミュニケーションが噛み合わなくて困っている夫婦にも共通する内容です。

夫婦(離婚)の現実

結婚に向かっているカップルに対して離婚の話から入るのはどうかと思いますが、離婚の現実を知ることは、結婚前(プレマリッジ)カウンセリングの意義をより実感する機会になると思います。

離婚の3割は結婚5年未満に起きている

離婚の3割は同居5年未満の夫婦によるものです。下表は厚生労働省の人口動態統計より抜粋した数字です。同居10年未満まで広げると総数の約5割になります。20年以上はひとくくりにしているので大きな数値になっています。

年度総数5年未満5年以上
10年未満
10年以上
15年未満
15年以上
20年未満
20年以上不 詳
2019年208,49663,82640,05227,22022,62940,39614,373
2018年208,33364,86240,86327,59722,46038,53714,014
2017年212,29666,50242,33928,23222,95638,28813,979
2016年216,85668,02844,40729,53722,99537,60914,280
2015年226,23871,72947,08631,11223,94238,64813,721
厚生労働省 人口動態統計 より

ちなみに、2019年の婚姻件数は599,007件です。単純に数字だけ比較すると毎年、婚姻件数の3分の1に相当する夫婦が離婚していることになります(離婚した夫婦の結婚年は一律ではないので単純に比較できません)。「そんなにたくさん!」と感じる方がいらっしゃっるかもしれません。

離婚理由の第1位は「性格の不一致」

2019年に行われた離婚調停・裁判において、離婚の申立て動機の第1位は、男女ともに「性格の不一致」でした(最高裁判所『司法統計年報』より)。

離婚申立ての動機
1位性格が合わない性格が合わない
2位精神的に虐待する生活費を渡さない
3位異性関係精神的に虐待する
4位家族親族と
折り合いが悪い
暴力を振るう
5位浪費する異性関係
最高裁判所 2019 司法統計年表 より抜粋して編集。「その他」を除く申立ての動機。

異なる環境や人生を生きてきた2人ですから、性格の不一致が生じるのは当たり前と言えます。当たり前とわかっているのに離婚理由の第1位になるのを知るには、夫婦とは何かを知ることが役に立つかもしれません。

夫婦(関係)とは

核家族において夫婦は家庭の中心です。家庭において(子どもがいる場合)唯一血のつながりがない関係が夫婦です。血のつながりのない2人が中心となって家庭を運営しています。

異なる国(文化)で育った2人が新しい国を作る

別の家庭に育った2人がそれぞれの家庭を出て、新しい家庭を築くのが結婚です。家庭を国と考えるとわかりやすいかもしれません。別の国で育った2人が国を出て、新しい国を作るのが結婚です。国には文化があります。文化の違いから夫婦の対立に発展することがあります。

役割を巡る軋轢

私たちは多くの場合、複数の役割を担っています。私の場合、妻にとって夫であり、子どもたちにとって父であり、親にとって息子であり、子どもが通う学校にとって保護者です。他にも、上司、部下、同僚、ママ友、等々、色々な役割があります。

それぞれの役割には、優先すべきタイミングとそうでないタイミングがあります。そのタイミングが夫婦でうまく噛み合わないことがあります。自分は早く親に孫を見せてあげたいと思っているけど、パートナーは5年間は経済的基盤の確立を優先したいと思っている。などです。

夫婦または夫や妻の定義が家庭(という国や文化)によって異なることがあります。「夫婦として」「夫(または妻)として」と言うとき、夫婦・夫・妻の定義が2人で一致しているかというと、そうでないことも往々にしてあるでしょう。しかし、お互いに相手も同じ定義を持っているとの前提で話していることが多いのではないでしょうか。

あばたもえくぼ

「私には優柔不断なところがあるけど、彼女(彼)は自分の考えをしっかり持っているんです」。結婚前、そのように言ってた人が、「彼女(彼)は自己中心的で私の言うことを聞いてくれないのです」と結婚後に不満を漏らすことがあります。

恋愛から夫婦生活へ文脈(脈絡・背景・状況)が変わったために、それまで魅力と感じていた面が不満に変わることがあります。それは相手にとっても同じです。そのような葛藤を経験しながら育てていくことも夫婦関係に求められます。

それを実現するコミュニケーションが求められるわけですが、コミュニケーションについては後ほど触れます。

論理的な男性と共感的な女性

男性は「論理的・問題解決志向・理屈っぽい」。女性は「共感的・感情表現が豊か・回りくどい」。よく言われることですが、夫婦・カップルカウンセリングの経験からもその傾向を感じます。ただし、逆のパターンや他のパターンもあります。

人は自分が持っていないものを持つ人に魅力を感じるようです。情緒的な女性が論理的な男性に惹かれるなどです。恋愛時代は魅力と感じていたのに、文脈が変わると(夫婦生活が始まると)「理屈っぽくて面倒くさい」と不満に変わることがあるのは先に述べた通りです。

論理性と共感性はどちらが良いというものではありません。両方必要です。解決すべき問題を放置しておくと手に負えないようになることがあります。血のつながりがない2人の関係を育てるのは情緒的な絆です。

夫婦の危機が起きるとき

夫婦に起きうる危機には、家族が発達していく過程で起こる多くの夫婦が経験する危機と、事故や災害など一部の夫婦が経験する危機があります。ここでは前者の多くの夫婦が経験する危機について考えたいと思います。

夫婦に危機をもたらす要素

家庭を国と考えるとわかりやすいと先に述べました。夫婦に危機をもたらす要素としてあげられるのは、家庭(国)と家庭外(国外)との関わりです。

夫が何らかの趣味に打ち込んでいて、妻はそれに興味がないとします。夫婦の時間は大切だけど趣味も同じくらい大切な夫。夫婦や家族が最優先で趣味はその次の妻。スレ違いが起きやすいのは容易に想像できます。

仕事に対する考え、友人との関係性、実家との関係性などの違いも同じです。普段は仲が良いのに、ある話題になると話し合いができないカップルがいます。このような違いについて、お互いが受け入れられる着地点を見出せていないことが原因と一つと考えられます。

家族ライフステージの移行期

エリクソンという心理学者は、人間の一生を8つのステージに分けて、それぞれのステージでクリアすべき発達課題があるとしました。ライフサイクル論と言います。カーターとマクゴールドリックは家族にもライフサイクルがあるとしました。詳細は以下のページをご覧下さい。

夫婦の危機が生じやすいのはライフステージの移行期です。結婚すると夫と妻という役割が生じます。子どもができると父と母の役割が生じます。それぞれの実家との関係性も変わるでしょう。子どもの成長に伴い、親の役割の質が変わります。

ライフステージの変化は夫婦に変化を求めます。働き方、家事や育児の分担、等々。夫と妻が同じように変わればいいのですが、そういかないことがあります。異なる国(文化)で育った2人です。認識が一致しないのは無理のないことなのかもしれません。

解決の試みが問題を維持・悪化させる悪循環

問題の対処や解決を目指して始めたコミュニケーションが、かえって問題を維持・悪化させてしまうことがあります。以下のような悪循環です。

話し合いを試みる ⇒ 話が噛み合わない ⇒ 言い争いになる ⇒ 関係が悪化する ⇒ 話し合いしない方がマシ ⇒ コミュニケーション断絶 ⇒ 話し合いを試みる ⇒ 以下繰り返し

このようなことが起きる原因を2つあげてみます。

論理と感情のスレ違い

先に、論理的な男性と共感的な女性という話をしました。スレ違いの代表がこれです。「共感を欲している相手に解決策を提示する」「解決策を欲している相手に共感する」。相手は「わかってない!」「そうじゃない!」となってしまいます。

妻

ママ友とランチに行って○○って言われた。ショック。

夫

次回から参加するのをやめたらいいんじゃない。

妻

(そんなこと言ってるんじゃない…)

妻は「つらかったね」の一言がほしかったですのが、論理的な夫は解決策を提示しました。

どちらが悪いという話ではありません。チャンネルが異なるので噛み合わないのです。論理優位な人にも当然ながら感情があります。感情優位な人にも論理があります。カウンセリングでは両方のチャンネルでコミュニケーションを行うことを支援します。

カップル・ダンス

カップルに起きているコミュニケーションの悪循環のことをカップル・ダンスといいます。うまくいかないカップルは無自覚に悪循環を繰り返しています。5つのパターンがあります。

衝突のダンス

お互いが自分を正当化して相手を責めるパターンです。「変わるべきは相手だ」とお互いが思っています。カウンセリングルームで非難の応酬が始まるのはこのパターンであることが多いです。その様子を見ていると、問題解決より相手を負かしたい欲求が強いのではと感じることもあります。

距離を取るダンス

お互いに言いたいことを自分の胸の内にしまい込んで、気持ちや考えを率直に伝えないパターンです。衝突のダンスの逆です。一緒にいる時間を減らしたり、物理的に距離を取ったりします。一見仲良く見えても冷戦状態のようになっていることがあります。

追跡者・回避者のダンス

問題や葛藤が起きたとき、一方が相手を追いかけ、他方が逃げるパターンです。追いかける方は自分の欲求を満たすように強くパートナーに求めます。逃げる方は距離を取ることで自分を守ろうとします。

過剰機能・過小機能のダンス

しっかりもので世話役(過剰機能)となっている側が、世話される側(過小機能)を支えている関係です。共依存的な関係です。共依存とは、依存する対象が必要な人と、自分に依存する対象を必要とする人の関係です。

三角関係化のダンス

夫婦・カップルの葛藤に第三者を巻き込むパターンです。最も巻き込まれやすいのは子どもです。母親が子どもと密着関係となり、母親・子ども対父親という2対1の敵対関係を作るのがよく見られるパターンです。第三者は実家や浮気相手のこともあります。仕事や趣味など人間以外のこともあります。

悪循環を好循環に変えるコミュニケーション

カップルカウンセリングでは、悪循環に気づき、悪循環を好循環に変えるように支援します。結婚前(プレマリッジ)カウンセリングでは、起こりうる悪循環への対処や備えを求められることもあります。

家族療法では、個人の中に問題を見出そうとしません。システムの歪みが問題をつくると考えます。システムで起きている相互作用に変化を加えることにより、望む状態の実現を目指します。

お一人でもカップルでも

カップルで取り組むのが望ましいですが、カップルでの参加がむずかしい場合はお一人でも効果的なサポートが可能です。料金等の詳細は通常のカウンセリングと同じです。関心がある方は是非お試し下さい。気づきや発見があるはずです。

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