開業5周年

執筆者:公認心理師・山崎孝

犬鳴山

去る4月25日(土)から27日(月)の3日間、ゲシュタルト療法トレーニングコースの合宿に参加しました。場所は泉佐野市の犬鳴山。写真は最終日の朝、ワークショップ前に散歩したときのものです。

参考:ゲシュタルト療法とは? - 日本ゲシュタルト療法学会 –

この合宿をもって、トレーニングコース1年間の課程を終えました。最終日を終えて皆とハグしたとき、こみあげてくるものを抑えるのはむずかしかったです。

1年間の大半はクライエント(セラピーを受ける人)体験でした。最後にファシリテーター(ゲシュタルト療法ではセラピストと呼ばずにファシリテーターと呼ぶ)を体験しました。

ファシリテーター経験がありませんから皆の技量は未熟です。しかし、築き上げた関係性が多くの気づきをもたらしてくれました。

相手のすべてを認めて、相手の気持ち理解しようと努めて共感して、自分の気持ちを純粋に表現しする。そのような相手が一緒にいてくれると、人は安心して自分の内側に向き合えます。この関係性の中にいること自体がセラピーです。

逆説的ではありますが、そのような人が一緒にいてくれるからこそ、自分の内側からの気づきが促進されます。ジョハリの窓で説明がつきます。

関係性を言葉で伝えると以上のようになりますが、その中で体験するすべてを言葉で伝えるのは困難です。そして、本質は言葉で伝えるのがむずかしいところにあります。体験して実感するしかありません。

トレーニングコースの大半はクライエント体験でした。ゲシュタルト療法では、身体と心を分けずに一元論としてとらえます。兎にも角にも、身体の感じや身体が発する声を体験・実感しなさいということなのでしょう。

合宿を終えて、5月1日に開業5周年を迎えました。とりあえず生き残っております。

この5年間、旅行というものをまったくしてませんでした。子どもも大きくなりましたし、夫婦で1泊2日の小旅行に行ってきました。子どもができてから初めての夫婦水入らずのときを過ごしました。

雪の大谷

クライエント中心療法からこの道に入り、何か足りないと感じて認知行動療法へ行き、行き詰まってゲシュタルト療法に来て、ゲシュタルト療法をきっかけにフォーカシングに触れ、学べば学ぶほどクライエント中心療法を理解してなかったことに気づきました。

一周回ってスタートラインに戻ってきたような気持ちです。

「これまで何をしてきたんやろ?」と思ったこともありましたが、「ぐるぐる回りながら渦を大きくしていけばええやん」と思ってます。

今後ともよろしくお願いいたします。